#11 独学の技法 by 山口周
変化の多い現代において、知識はすぐに陳腐化してしまう。
また、面白い仕事は異なる領域の掛け合わせから生まれる。
新しいことを学ぶためにその都度学校に通うわけにはいかない。
なので、独学ができる人は強い。
著者は、問いを持つ → 学ぶ → 抽象化・構造化 → ストックするという方法を実践している。Evernoteにメモをストックして、タグ検索でいつでも引き出せるようにしているらしい。
ここで重要なのが、「忘れるためにストックする」という点。
これはシステム開発にも通じる話だと思った。
システム開発を円滑に進める上で、ドキュメントの整備は欠かせない。他人だけでなく、1ヶ月後、1年後の自分のためにも、ドキュメントを書いておく。
書けば忘れてしまえる。
忘れることが前提なので、紙よりも検索性の高いEvernote(などのアプリ)がおすすめとのこと。たしかに。
読書ノート代わりにnoteで読書ログを始めたけど、検索性を考えるとメモアプリなどにも書いておいたほうがいいのかも。
仕事においては意識していた「忘れるためにドキュメント化する」という考え方が読書にも応用できることに気づけたのが収穫。
気になったところメモ
・Knowing is becoming obsolete. / 「知る」ということは、時代遅れになりつつある。(「覚えること」を目指さない)
・いま「独学」が必要な四つの理由
①「知識の不良資産化」- 学校で学んだ知識は急速に時代遅れになる
②「産業蒸発の時代」 - イノベーションはいまの時代を根底から覆す
③「人生三毛作」 - 労働期間は長くなるのに企業の「旬の寿命」は短くなる
④「クロスオーバー人材」 - 二つの領域を横断・結合できる知識が必要となる
・世界中の組織で「領域横断型の人材が足りない」と言われているのは、今の世の中の仕組みがそういう人材を生み出すようになっていないから
・独学を効果的に行う四つのモジュール
①戦略
どのようなテーマについて知的戦闘力を高めようとしているのか、その方向性を考えること
②インプット
戦略の方向性に基づいて、本やその他の情報ソースから情報をインプットすること
③抽象化・構造化
インプットした知識を抽象化したり、他のものと結びつけたりすることで、自分なりのユニークな示唆・洞察・気づきを生み出すこと
④ストック
獲得した知識と、抽象化・構造化によって得られた示唆や洞察をセットとして保存し、必要に応じて引き出せるように整理しておくこと
・ジャンル選びは「自分の持っているもの」を起点に考える
すでに持っているもの x これから獲得するもの
・情報は量より「密度」
情報自体に価値があったのは「情報の量」が情報処理のボトルネックだった時代の名残か。しかし現在はボトルネックが「情報の量」から「情報処理のキャパシティ」になった。
「ビッグデータ」とは、誰にでもアクセスできる大量のデータから、どうやって自分にとって意味のある洞察を抽出できるかという「情報処理の能力」についてのキーワード。
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