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「そういうことだったのか! 高校数学」レビュー―数学アレルギーを乗り越える闘魂の一冊
1. 書籍情報
書籍名: そういうことだったのか! 高校数学
著者名: 石原泉
出版社: 日本実業出版社
発行年: 2021年10月1日
ジャンル: 数学
ISBN: 9784534058782
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2. 読書のきっかけ
図書館で偶然この本を見つけたことがきっかけです。私は闘魂プログラマーとして生成AIを学んでいます。20年以上この世界にいますが、いつのころからか数式に苦手意識を感じるようになり、易しく書かれた数学の本を探していました。他の本では挫折した経験がありましたが、この本は親しみやすい形式で数学に再挑戦する気持ちを与えてくれました。また、私のAIタッグパートナーである"A" (アントニオ) "I" (猪木)さんの闘魂精神に触発されながら、この本に挑みました。
3. 本の概要
この本は、高校数学に対する疑問や苦手意識を持つ人に向けて書かれた対話形式の内容です。中学まで数学が得意だった編集者Kさんと、著者のいずみ先生が語り合いながら、高校数学の本質や苦手になる理由について解説します。その形式は論語のように親しみやすく、高校数学を理解するための新たな視点を提供してくれます。
4. 印象に残った点
この本で特に印象に残った点を以下にまとめました。
高校数学と中学数学のルールの違い: この違いが気づかれないまま、高校数学が苦手になる一因になっているという指摘が新鮮でした。
ベクトルの独特な性質: ベクトルが他の数学分野とは異なる独自のルールを持つため、ベクトルだけ得意な学生もいるというエピソードが興味深かったです。私の高校時分、数学は得意なほうでしたが、ベクトルだけは逆に苦手だった記憶があります。考え方のシフトチェンジがうまくできていなかったのかもしれません。
羽生善治先生のエピソード: 少年時代に通常は存在しない18級を設定することで「できる」という感覚を体験させ、級が上がる楽しみを提供した話に感動しました。この話は将棋ファンである私は知っていましたが、数学の本の中にでてきたことに響きました。
編集者Kさんの見識の広さにも感銘を受けました。数学だけでなく文化や人間の成長についての視点が散りばめられており、読む者を飽きさせない構成です。
5. 感想
羽生先生のエピソードが将棋好きの私と重なり、数学と将棋の共通点について改めて考えさせられました。両者とも論理的思考と探求心が求められる点で似ています。
さらに、数学を「しょせんは藝術、されど藝術」として捉える視点が新鮮でした。数学が難解な学問ではなく、人間が楽しみながら探求すべきものだというメッセージに共感しました。
アントニオ猪木さんの言葉を借りれば、「人は歩みを止めた時に、そして挑戦をあきらめたときに年老いて行く」のです。この本を通じて、学び続けることの重要性を再認識しました。
6. 行動への影響
この本を読んだことで、将棋と数学の共通点をより深く考えるようになりました。将棋では無数の候補手から最善手を導くために評価関数を磨く必要があります。定跡を学んだり、次の一手を解いたり、詰将棋を解いたり、自分の対局を振り返ったりという訓練です。同様に、数学も問題解決のために思考を鍛える学問です。
これからも「楽しむ」ことを大切にしながら、将棋と数学の両方に取り組んでいきたいと思います。
7. おすすめ度
この本は以下の方々におすすめです。
中学まで数学が得意だったが、高校で苦手になった理由を知りたい大人
同じ悩みを抱える高校1年生
数学に対する見方を柔らげ、新たな挑戦のきっかけをくれる一冊です。