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#4.06|凸凹兄弟、次男睡眠ポリグラフ検査 (PSG)の結果

東京のクリニックの検査結果は、3週間を待たずに出た。本人3度目、私も2度目の通院で、早く着きすぎて近くのカフェで映えるケーキセットを頼み、時間を潰した。立ち食い蕎麦は何ヶ所もあるのに、ファーストフードが見当たらないのだ。普段ならラーメンが3杯は食べられる金額だが、毎年バレンタインデーには自分でスイーツを作る次男のために奮発して、少しふわふわした気分でその後クリニックに向かった。

結果は軽く考えていた私の予想を裏切るものだった。全身にセンサーを付けていたにもかかわらず、ものの数分で次男は眠りにつき、8時間後ゆすってようやく起こされたのだという。普通なら自然に目が覚める睡眠の深さで、「過眠症です」と言われた。私なら環境が少し変わっただけでまず眠れない。軽微だがイビキも計測されていた。レム睡眠の出方はそんなに異常はなかったが、「検査を続けたらまだ寝続けただろう」と言われてしまった。

次回は一ヶ月後、「睡眠潜時反復検査」を受けることになった。前の晩から入院して睡眠をとり、昼間2時間おきに5回仮眠を取って記録を取るという。
予定通りではあったが、過眠症がどのくらいの人に現れるのか聞いたら「1,000人に一人です」と言われてしまった。

2日後のもう一つの検査結果も急遽同行することに

本人が会社で居眠りしてしまう時のことを「眠気がないのに気づいたら寝てる」と表現していたので、私はてっきり発達障害系の脳の信号が切れやすい症状だと思っていたので、この結果は衝撃だった。異常はありませんと、簡単に言われて帰れると思い込んでいたのである。

私はこの日、年に何度も帰れない独居老人の母のところに2泊するつもりでいたのだが、2日後に予定されていたG県の病院の検査結果に急遽同行することにした。当初は本人だけで行って貰うつもりだったのだが、そんなことは言っていられない検査結果だったのだ。

クリニックのあと雑誌のデザイナーをしていて常時忙しい妹と、約束をしていたのでその夜久しぶりに会い話に花が咲いた。前回会った時時間に遅れて怒らせてしまったので結構気も使い、クタクタになって寝床に入ったら、明け方4時頃目が覚めて、そう言えばバタバタで調べてなかったと「過眠症」と検索したら、ナルコレプシーも含まれている。これはまずいと、その後眠れなくなってしまった。

同じ検査結果の違う見解

東京のクリニックでは全く予想しない結果を告げられ、メモも用意しておらず慌てたので、G県の病院にはしっかり用意して寸分聞き漏らさずに医師に対峙する覚悟で行った。すると医師は「後で渡しますよ」とイナしながらほぼ同じ波形の検査結果とアメリカの睡眠時間に関する原語の表を見せながら「まだ18歳ですよね、このくらいは寝ないといけません、正常の範囲内です」と言い放った。

そして予定していた2回目の検査も必要ないという。自宅に戻ると、「2箇所受けておいてよかっただろ」と旦那がドヤ顔で言った。そんなこともあるのだ。

ここから5日後には会社に報告に行き、かかりつけの精神科医に新たな診断書を書いて貰い、年内は検査のために会社を休めることになった。まだ東京のクリニックの検査が継続しているからだ。

会社からの給料は流石に支給されなくなったが、代わりに健康保険の傷病手当が出るという。これが組合員の平均給与から計算されるため、若い次男はむしろ有利に働く。大手の正社員というのはこう言う時モノを言うのだなと、フリーランスの我が身の儚さを思った。

つづく


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