#4.03|凸凹兄弟、次男の「睡眠外来」探し
そもそも次男が選んだ病院は、会社から近い(といってもタクシーが必要)精神科だった。その医師がなぜ「ナルコレプシー疑い」という診断書が書けるのか謎だったが、会社として彼を休ませるにはその内容が必要だったのだろう。
大きな会社で福利厚生も手厚く、家族寮があるほど会社への定着には気を遣っている。実際次男も当面「有給」扱いで休ませてくれるという。ただ、何かあってからでは遅いのだ。
思いもしなかった展開に私も慌て、精神科では話にならないのでまずは県内の専門医を探したが、予約が取れたのは2ヶ月後。「日本睡眠学会」と言うところが「日本睡眠学会専門医療機関」をリストにして公表していたので、近県から東京まで紹介状なしで受診させてくれそうなところを探した。次男が訪れた精神科が次回紹介してくれるというが、それも1ヶ月後なのでそんな呑気なことを言っている場合ではない、次男はまだ試用期間の身なのだ。
大学病院系はほぼ紹介状がないと受け付けてくれないので、個人の開業医を探したら、埼玉に1件、東京に1件見つかった。埼玉は指定日の電話予約、東京はネットで予約を受け付けてくれたので、東京のクリニックを予約した。
神奈川にも綺麗な待合室のあるクリニックがあったが、同じ睡眠外来でも「不眠」が専門のようで、ナルコレプシーの検査をしてくれるところは極めて少なかった。
埼玉のクリニックは発達障害も専門だったので、出来ればこちらにしたかったが、検査だけは受け付けていないと言うことで、その後の通院を考えて予約から外した。優しそうな先生だったけれど。
東京の先生もWebサイトで見る限り、優しそうだった。これまで何箇所も精神科に通わせて来たけれど、医師との相性は大事だ。東京は加えて2週間後には初診の予約が取れた。県内の予約はそのままにして、まずは東京のクリニックで診て貰うことにした。
ちなみに次の診療を1ヶ月後に設定した精神科の医師は、「ナルコレプシー疑い」と言う診断書を書きながら、処方したのは発達障害に徐々に効く「ストラテラ」系の薬。直接会ったわけではないので不信感が先に立ち、こんな医師に任せておくわけには行かない、と言うのがこの時点での私の所感。
ここまでは私が手配して、本人はまだ寮にいたが、「出来れば実家に帰ろうね〜。」と優しく上司に囁かれたと言うので、旦那が慌てて本人を迎えに行った。こうして入社3ヶ月も経たないのに次男は寮から自宅に舞い戻って来てしまったのである。
つづく