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読書感想文を書く前の感想
読書感想文が得意じゃない。
書くのも読むのも。
私は、たぶん「何がそう思わせるのか」にこだわりすぎるのだと思う。
だからただ「感動した」と言われても、その根拠となる経験は何かが書かれていないと「あー、そうなのね」で終わってしまう。
自分が書くときも、それを書かないでいて「面白かった」とは書きたくない。
書いていてつまらないから。
これまで経験したひとつひとつが、たとえそれが直接影響しているように見えなくても、カレーのスパイスのように複雑に作用し合って、いまの自分が感じた心の動きのもとになっている。
共感や反発の。
書かれたものを読むということは、知らない人が生きた物語を通して、知らない自分を発見することだ。
だから、なんで自分は(あの人は)ここに感動したんだろう?とその根拠を探ることなしに、ただ展開を追っていくだけでは物足らない。
感想文を読むとき、きっと私はその小説やドラマがどんな話かを知りたいのではなく、その人がどこにどんなふうに心を動かしたかを知りたいのだろう。
しかし、感想文を書いた人の人生の詳細は、読み手にはわからない。
その人の書いたものをたくさん読んでいれば、どんな経験を経てきたかとか現在の家庭環境など、大まかな状況は想像できるが、当人がすべてを書いているはずもない。
想像の手がかりがまったくない人もいて、感動の根拠はほとんどわからない。
そこが淋しい。
共感したいのに、その扉を開ける鍵がない。
私が共感したいのは、小説そのものではなく、それを読んで感想を書いた人なのよな。
読書感想になっていない感想文が好き。
だから自分が書くときは、ついそこを掘り下げたくなる。
そして、文章がしつこくなる。
それで書いているうちに自分でうんざりしてしまう。
読書感想文は苦手である。
トラウマもある。
しかし、たまーに書く気になることがあって、うんと感嘆したか、めちゃくちゃ落胆したかどちらか。
そこそことか、ほどほどとか、ここは良かったがあそこがつまらなかったというのは、ほぼ取り上げないし再読もない。
そして、タイトルだけ見て「知ってる」と思うけれど、内容は忘れている。
最近は、小説だけでなくドラマでも映画でも、自分の期待値が高すぎる傾向があって、手放しで称賛したくなるものになかなかめぐり合えない。
どんなものにも、すべて見るべきところを見つけられて褒められる才能はすごいなと思っている。
映画評論家の淀川長治さんとか、そうだったよね。
一昨日、ミステリー小説を読み終わった。
感想文が苦手な私が、ひとこと書き残しておきたいと思ってしまったのは、落胆が大きかったから。
以下、「鍵の掛かった男」の感想(ほぼ悪口)。
と思ったが、右肩の文字数がどんどん増加している。
私はこれを脅迫に感じる。
長すぎるよ、いい加減やめろよと言われている気がする。
自分では、2000字を超えると読み手に申し訳なく思う。
しかし、収めるのが難しい。
あっという間に超えてしまう。
仕事で校閲や編集をやっているので、自分が趣味で書いているものは修正する気にならない。
だってタダだもん。
なので、今回はここまで。
肝心の感想が何も書かれてない。
お昼に、この記事で書いたドレス型に初挑戦してあえなく惨敗した。
どうやったら箸でうまく渦が巻けるのかと考えてモタモタしているあいだに余熱で固まってしまった。
いや、ここで自己弁護するならば、そもそも卵をケチったこと。
だって、高いんだもん!
心置きなく卵を使えるような物価になってほしい。
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昨日まで何日かキーマカレーを食べていたので、鍋(フライパン)に残った中途半端なルーにチンしたご飯を入れて混ぜながら炒めた。
こうすると、ドライカレーになるし、何より鍋の淵や底についたカレーがきれいにこそぎ取れるので「皿にぶり」したい私にはピッタリである。
オムライスを食べたくなったのは、配信で「晩餐ブルース」を見たから。
小説の悪口を書こうと思ったのに、次々と話が別の方向に進んでしまうから、文字数が多くなることは承知しているので責めないでほしい。
失敗したドレス型オムライスのごとく、こうやってモタモタしているうちに、読了直後に抱いた失望感と不満が収まって、悪口がすこし和らぐといいのだが。
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