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フーコーの「性の歴史」3巻「自己への配慮」の読み方(フーコー読む人向けの記事)

フーコーの「自己への配慮」のサマリーを作成しています。お気に入りのところばかり読んで全体がリンクしていない感じがするので、一度、全体のサマリーを章や節ごとに作成しようと思い立ち、まだ3分の2くらいです。
 まとめを作成する中でようやくわかってきたのは、
 ギリシア時代に端を発した、ギリシア哲学にあらわれる家庭、妻(女性、他者)、医学(養生術)、同性愛がローマ帝政期においてギリシア哲学からローマ時代の「自己への配慮」というべき哲学によってどのように変化していったか、そして次のキリスト教にはどのように推移しいったかをまとめる必要がある。もちろんフーコーはそう書いてあるけどわかりにくいし、詳細なコンテンツが証拠として提示されているので尚更そのフォローをしていると追いつかない。
 これは「言葉ともの」と同じスタイルであることがわかる。
 となると各分野の通史をサマリーとして描いてもらった方がわかりやすかったのではないか、という気がする。フーコーにとってみれば通史のスタイルよりもその時代の哲学の刻印の提示の方が面白かったのだろう。
 問題はコーネル・ウェストが批判するように「だからどうだというんだ?」という問いの前には回答がしにくい。系譜的にそのようなきっかけで物事が始まったのなら、今そうである必要性は低いのでは、という抵抗ではあるのだが、フーコー自身は講演ではそのような言い方をちょこっとだけして、面白がるにとどめている。
 そして国内ではフーコーは研究されているが、性の歴史のメインストリームの内容はあまり議論されていない、おそらく写本レベル、ギリシャ語、ラテン語でのスーパーマーケット的知識、しかも精度は荒いかもしれない恐ろしさがある中で取り組みにくいであろうし、性にかんすることよりも統治性だとか啓蒙や自由、政治などいかにも哲学なテーマが好まれるのだろう。
 肉の告白も出たので、それぞれのサブテーマの解説を最新事情も加えて専門家がまとめてくれるとありがたい。
 と書いていて、仲正昌樹先生の本があることを思い出し、文章はストップして、調達しました。
 今読み始めているのですが、流石の読解で、参考になります。まとめをうまくところどころに入れてくれています。年表なども作成してくれているし、概略が掴みやすい感じです。
 今の要旨作成に活かしていきたいと思います。
 フーコーに興味のある人以外には関係ない話題ですいません。

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