ビジネス陽キャ

高校時代は演劇、大学はダンスに夢中だった僕をよく知る人は、僕のことをビジネス陽キャと呼ぶ。

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大学1年 冬⑥さようならの2万円

ある日、バイト先の社長が店に来た。 社長は普段は別な地域にいるからお店に来ることはほぼない。 せっかくだから将来のこと相談にのってもらおう! 「おう、相談か!ところで、お前は将来どうしたいんだ?」 "いろんなことやりたいです!なんか、いろいろ悩んだんですけど、考えれば考えるだけやりたいこといっぱいあります!" 「んで、いろいろってなんだ?」 "え、いやいろいろっす。なんかファッションとか、ダンスとか、有名になったりとか、いろいろ" 「いやだから、いろいろってなん

    • 大学1年 冬⑤吾輩は三代目魚武小泉ジョージ症候群である

      バイト先にあったzipperに載っていた"パラダイスキス"を読んでからというもの、パラキスが読みたくて仕方ない病になってしまったあたくし。 早速本屋さんで今販売されている分を購入する。 ジョージの考え方にものすごく共感する。 自分のわずかな可能性に賭けて、そのために全力で生きることはなんてかっこいいんだろう。 ふとこれまでの自分は誰かの後押しを受けたり、それしか道がないと思ったりと、なんとなくで進んでしまって自分で道を選んでこれてないような気がして自らを恥じた。 こ

      • 大学1年 冬④例え試練があろうとも、我々は食べたいのだ。牛丼を。

        2月。 1年で最も寒い時期。 僕のいた地域にはエアコンというものがほぼない。 あるとしたらコンビニくらいだ。 だって真夏でも15℃とかだし。 代わりに冬が厳しすぎるのでガスヒーターは全ての家に必須で付いていた。 これのいいところは一瞬で暖かくなるところ。 これのわるいところは付けっぱなしにするとガス代がエゲツないところ。 夜にもなると外の気温はマイナス15℃にもなる。 ある日、レストランの夜勤バイト帰りの夜道、家までの10分ほどの距離を歩いて帰ると、吐いた息

        • 大学1年 冬③初めてサークルを立ち上げたら最初から40人いて、ビビりながらジョージを目指す人

          バイト先の洋服屋に新しく大学生が入ってきた。 大学4年生の先輩らしい。 全身ヴィヴィアンウエストウッドの関西人だった。 僕とは系統が全然違うけどオシャレだなぁと思った。 彼はラッパーでもあるらしい。自分のCDを持ってきてお店でもかけていた。 自分の曲をバイト先でかける勇気もさることながら、自由人すぎる笑 さて、そんな彼の身の上話を聞くと、どうやら海外留学しに行っていたとのこと。 しかもニューヨーク。めちゃんこかっこいい。 ニューヨークでヒップホップに触れてきた

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        • 大学1年
          25本
        • 高校3年
          20本
        • 高校1年
          14本
        • 高校2年
          16本

        記事

          大学1年 冬②週一なのにサイドメニューに昇格した男

          ついにオシャレブランドでのバイトが始まった。 しかし、そもそも接客バイトが初めてだから戸惑う。 なんて話していいのかわからない。 しかも、大学生にはまあまあな値段のするファッションブランドだ。慣れない。 とは言え、やはりちゃんとしたブランドで働くということはめちゃくちゃ勉強になった。 このブランドはキレイめカジュアルウェアの他に、スーツも扱っている。 スーツを裏返すと、価格によって仕様が全然違う。 なるほど、高いスーツはこういう作りになるのか。 逆に安くするに

          大学1年 冬②週一なのにサイドメニューに昇格した男

          大学1年 冬①ファッションデザイナーになりたいけどなれない

          朝起きる ホットケーキを焼いて紅茶を飲む 学校に行く 講義を受ける ダンスの練習をする 洋服を作る バー、またはレストランでバイト 何もなければJさんたちと宴会。 そんな毎日。 変わり映えのない毎日。 ただ、このあたりで僕は大きな悩みを抱えることになる。 "洋服の勉強がしたい" ファッションデザイナーになりたいと思っていろいろ調べてみた。 新卒の求人を見ると、ほぼすべてに "必須条件:服飾専門学校卒業または服飾系学部の大学卒業 実技試験あり" と

          大学1年 冬①ファッションデザイナーになりたいけどなれない

          大学1年 秋⑥女の子の涙を止めるためにデカい板を持ってボンテージパンツで走った日

          ファッションの世界で働くのもありかもしれない。 そう思っていろんなファッションを着るようにしていた時期。 ダンサーとして少しずつ活動を広げてきていたけど"THE Bボーイ"みたいなのがそもそも好きではなかった僕は、 ダンスする時はBボーイのヒップホップファッション。 そしてそれ以外ではモード系、またはパンクス系かサイバー系、そんでたまに古着系のファッションがわりと多かった。 この日はとても天気が良くて薄着。 そしてダンスもなかったから上はカットソー、下はベルトがぐ

          大学1年 秋⑥女の子の涙を止めるためにデカい板を持ってボンテージパンツで走った日

          大学1年 秋⑤なんだかんだ毎日ドタバタしていて気付いたら彼女が出来ていた日

          ちーさんとデート。 と言っても対して遊び方も知らないガキんちょな僕は、ちょっとお買い物に行って一緒にごはんを食べたりカラオケに行くくらいしか頭に浮かばない。 でもこの日はいつもと違った。 僕が料理好きだという話から、手作りのごはん食べてみたいという話になって、うちに来ることになった。 ちーさんは寮で暮らしてたから門限がある。 それまでは22時には必ず帰らなきゃ行けないと行って早めに帰るようにしていた。 無理はさせたくない。 でも、少しでも長くいたい。 帰したく

          大学1年 秋⑤なんだかんだ毎日ドタバタしていて気付いたら彼女が出来ていた日

          大学1年 秋④ジャスコまであと◯km

          自分のブランドの服作りをしつつ、ダンスも目一杯やる毎日。 大学生なんだからちゃんと勉強していたかと言われればほとんど記憶にないけど、ひたすらやりたいことを形にする毎日だった。 大学でも演劇やりたいなぁとはうっすら思っていたけど、その想いはサークルの公演を観て消し飛んでしまった。 この街には、僕が高一の時の全国大会に出ていた高校があるというのに! まぁでもそんな都合よく、あの高校の演劇部員がここにいるわけないよね。 やるならメンバー集めからしなきゃいけない。 しかし

          大学1年 秋④ジャスコまであと◯km

          大学1年 秋③ヤンキーの世界は縦社会

          実は書きそびれていたけど、僕は学祭の時に自分で作った服のお店を出していた。 それまで作っていたのはリメイクのものばかりだったけれども、学祭に向けて、様々な生地屋さんを回り回ってカットソーを作る。 当時、リーバイスが立体裁断のデニムを発売して人気になっていたので、そこから着想を得て立体になるようにダーツとパイピングを入れた独特のデザインのカットソーを作っていた。 そして、それがそこそこ売れた。 当時はそれが自分のデザイン力がすごいからだと信じて疑わなかった。 でも、結

          大学1年 秋③ヤンキーの世界は縦社会

          大学1年 秋②顔相とハゲの関係性を真面目に考えた日

          学祭も終わってようやくいろいろ落ち着き出した 大学の陽キャの親玉Jさんとは相変わらず仲良くしょっちゅう飲んでたし 歳上美人のちーさんともたまにデートに行くようになった。 ダンスは変わらず続けていて、少しずつクラブイベントにも呼ばれるようになってきた。 なんていうか、今はとても充実しててめちゃくちゃ輝いてる感じがした。 だが、ひとつ困ったことがある。 お金がない。 ありがたいことに仕送りを親からいただいたいだけど、ギリギリの生活を毎月送っていたので、なにかしように

          大学1年 秋②顔相とハゲの関係性を真面目に考えた日

          大学1年 秋①学祭で稼ぐ男

          夏が終わって秋。 学祭が迫ってきた。 ダンスサークルでは学祭に向けて新たな振付の練習が始まった。 でも、プロ予備軍のチームとクラブで踊ったことで僕は、今の中途半端な感じの練習に若干嫌気がさしてきていた。 遊ぶなら遊ぶで、とことん自由に楽しいダンスを踊りたい。 でも、カッコつけて踊るならちゃんとかっこよく踊らないと意味がない。 だからカッコいいダンス踊るならちゃんとやってほしい。 なんともワガママな男である。 そこで、僕はサークルと別に、高校から仲良しのディズニ

          大学1年 秋①学祭で稼ぐ男

          大学1年 夏⑨クラブデビューで夜更かししたら大人の階段登った気がした男

          プロ予備軍の人たちとの合同練習をこなし、めちゃくちゃにダメ出しされながら食らいついていき ついに迎えたクラブイベントの日。 初めてのクラブ。 初めてのメンバー。 初めて出演するイベント。 昂まらないわけがない ちなみに、この日はアメリカのとある有名番組でアジア人初のグランドチャンピオンになった超人気ダンサーが来るとのことで、クラブも超満員だった。 イベントには僕たちだけでなく、先生たちはもちろん北海道の有名ダンサーが勢揃いしていた。 初めてのクラブでのリハ。

          大学1年 夏⑨クラブデビューで夜更かししたら大人の階段登った気がした男

          大学1年 夏⑧とあるダンサーの初野外フェス

          カヌーの夏キャンプが終わった。 今度はダンスの方へ気持ちを切り替える。 ダンス漬けとなっていたある日、練習をしていたら先生から呼び出された。 話を聞くとフェスの後、なんと念願のクラブのヒップホップイベントで踊らせてもらえることになったとのだという。 おお! なんてことだ!! ちなみにフェスは大学でダンスをやってるメンバーで踊る。 そして、クラブイベントの方は他の場所で開催されてる上級クラスのメンバーとチームを組んで踊ることになった。 大学のダンスのメンバーでク

          大学1年 夏⑧とあるダンサーの初野外フェス

          大学1年 夏⑦夏キャンプ 15度は夏日

          免許をゲットして早々に北海道に戻ってきた僕。 早々に戻った理由はふたつ。 ひとつめは、ダンスのイベント。 北海道のとあるフェスに出演させていただくことが決まっていた。 ほぼほぼ初心者なのになんで?とも思ったけど、 小さな頃からやっていた空手のおかげで動きのキレが圧倒的によかったことと 演劇で培った表現力を評価して、ダンスの師匠が僕を特別クラスに押し上げてくれたためだった。 空手やっててよかったぁ。 そして、早々に戻ったふたつめの理由はカヌー部の夏休み合宿があっ

          大学1年 夏⑦夏キャンプ 15度は夏日

          大学1年 夏⑥イベント出演と免許センターの衝撃

          元演劇部と現役演劇部によるデコボコダンスチーム"ダニエルカーターズ"2回目のイベント出演の日がきた。 前回は高校生バンドばかりだったけど、今回は社会人バンドのイベント。 僕たちは圧倒的に最年少だった。 大学で培った"こわい先輩にかわいがられる後輩スキル"をフルに発揮して、出演者たちと仲良くなっていく。 他の出演者のリハーサルを見る。 なんていうか、当たり前なんだけどバンドばっかり。 ダンサーがまったくいなくて緊張感が増す。 若干気落ちしてるのを悟ったのか、主催の

          大学1年 夏⑥イベント出演と免許センターの衝撃