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生まれる前からいじめの心を持って生まれた人はいないように思う
父はいつから、どうしてこんな人になってしまったのだろう

そうなるには何かがあったように思えてならない
それは生い立ちなのか、人生の途中での出来事なのかもしれない
小さなことの積み重ねかもしれないし
もしくは元々何かの能力が備わっていないのかもしれない

父は
病気になり余命宣告を受けた兄を面倒くさがった

いつだったか父に
看護に協力してもらいたいと伝えると

 「20歳過ぎたら成人なんだから勘弁してよ。
忙しいし面倒だよ。たまごがやってよ」

と笑っていた。

兄が亡くなり、
ようやく姿を現した父は亡骸を前に
普通の人ではとても言えないような
怖い言葉を吐いていた

父の中にここまで恐ろしいものを
引き出してしまう要因とは
果たしてなんなのだろうか?

言葉の全てを本心だとは思っていないけれど、
こんな時に限ってこの様な
辛辣な言葉が出てしまう父

でも、そんな色々な事に
未だ何一つ気が付けていないことが
父自身が受けている、
なにか最大の
"罰"のもののように
思っていた

だが、そんな父なのに不思議と私は
父のことが好きで
根底の気持ちは変わらない

その思いは
父が晩年になるにつれ
膨らんできたように思う

散々バトルを繰り返し
葛藤した先に
いつの間にか辿り着いた
私だけの父への思いなのだけれど…

"いろいろなことに
早く気が付いて欲しい…"

けれど、それぞれの最重要課題は
自分自身で気が付いていく以外に
無いのかもしれない

そして、子供へのことをきっかけに
私と父の中に共通のものがあることに気が付いた

「私はここまでは酷くない」
と思っていたけれど、
実際、子供にストレスをぶつけてしまう
鬼のような心は全く同じだ

私達の中にある。
共通の

何か因縁めいたものを
親子が互いを鏡として
映し合っていたのかもしれない

ほら、これがあなたの、
私たち家族の、
先祖代々の課題なんだよ

忘れないように互いに映しておく

と誰かが言っているように
思えてならなかった

 "もう二度と繰り返すまい"

こう決意をした日を
今でもはっきりと覚えている

なぜなら兄が亡くなった後の
私の39回目の誕生日だったから

父を通じてこの様な気持ちになるとは夢にも思わなかった

カウンセラー見習い勉強中 朝比奈 卵


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