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もし生まれ変わってシャネルになりたいかと

聞かれたら

答えに窮する

本を開いてあっという間に惹き込まれてしまった
ガブリエル・シャネル
(通称:ココシャネル)とその生涯

孤児院で育ったシャネルは
どんなにいじめられようが
蔑まれようが
決して屈することはなかった

むしろ
その怒りを原動力に
世間に対して
自らの存在の証明を図ろうと
並々ならぬ野心を燃やしていく

そんな彼女に才覚
時運は味方する

また、彼女の発表するコレクションは

「恋人カタログ」

と言われるほど
歴代の恋人達は社会的地位に優れ
大金持ちばかりだった

彼らは
ひと筋縄ではいかない
野心家のシャネルを夢中になって
追いかけ支援するが

当の本人は愛にドライで
ひとりの男と
穏やかに暮らすようなことなど
微塵も興味がない

ただひたすらに
自身の力を
社会に知らしめてゆくこと

それこそが
シャネルにとって
唯一の信念であった

だが

そんなシャネルを
一変させる出逢いが訪れる

運命の人、アーサー・カペルとの出会いである

シャネルは彼を知り
愛を知っていく

彼女同様、野心家のカペルは
シャネルを理解し
支援し、愛する

カペルがシャネルに与えた
影響はあまりにも大きい

後にブランド「CHANEL」の
印象的なモチーフとなる
白い花は

カペルがシャネルへ贈った
カメリアの白い花

直線型のバッグに
力強いチェーンをあしらった
”ボーイ・シャネル”シリーズは

カペルの通称(ボーイ)
の名を冠している

カペルによって見出され開花した
シャネルの才能は
やがて世界を席巻し
不動の地位にまで彼女を
押し上げて行くこととなる

二人三脚で築き上げた
約10年にも及ぶ
かけがえのない日々

その中でシャネルは次第に

起業家でも
デザイナーでもない

ただ一人の女性として

カペルとの結婚を望むようになる

そのためには
これまで築き上げてきた
地位も名声も財産も

全てを引き換えにしてもいい

この世に居場所がなくてもいい

彼のそばで、人生を過ごせるのなら。

シャネルは自分にとって
一番大切なことを見つけた

それはカペルを愛し
また彼に愛されること。

だが

そんなシャネルの想いとは裏腹に
カペルは
自らの野心に導かれ
別の女性との結婚を宣言

カペルによってもたらされた
天国と地獄

彼女は絶望に陥りながらも尚
カペルを失うことなどできない

彼を失うことは自分を失うことに等しい

狂乱しながらもシャネルは
カペルの絶望的な宣言を
受け入れる他なかった

そうして
別の女性と結婚しながらも
シャネルとも関係を続けたカペルは

結婚の僅か翌年
自動車事故でこの世を去ってしまう

身重の妻とシャネルを残し。

シャネルは後にこう述懐する

”彼の裏切りがなんだろう
永遠に彼を失ってしまうことに比べたら

どんな形でも生きていてくれる方がずっとましだった。

なぜ、そう思えなかったのだろう。

より大きな不幸にあって、
初めてそんなことに気がつくなんて愚かすぎる”

シャネルは彼の全てを愛せなかった自分を生涯責めている

その後の恋人も
次々とシャネルの元を去っていくこととなる

世界を”シャネルスタイル”で席巻した
不動の女王

ココ・シャネル

華やかに昇りゆく名声とは
あまりにもかけ離れた
彼女の私生活

晩年のシャネルからは笑顔が消え
キツイ顔立ちと
虚言の癖が強くなっていたという

彼女は亡くなる直前
TVインタビューのなかで
こう語る

「私だって本当はもっと美しく生きたかった」

定住していたホテル・リッツの
スイートルームで
彼女はひとり87歳の生涯を閉じていく

ガブリエル・シャネル

不動の地位と名声を築き上げても尚

彼女が美しく
生きれなかったという
その理由は何なのか

巨万の富を得ても尚
彼女が手に入れることが
できなかったものとは…

成功とは一体なんだろう

家にあるCHANELの香水の
空箱をまじまじと見ながら

一人の女性として
人として
想いを馳せる夜

最後までお読みいただきありがとうございました


アラフォーからの豊かな人生をガイドする
ライフクリエイター朝比奈卵📚

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