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【本から学ぶ】HSPなりの怒りとの付き合い方【9-3】

面と向かって人に怒るのが苦手です。
相手から嫌なことを言われたとき、ムッと思ってもその場で言い返せません。その場を離れた後に沸々と怒りが湧いてくるのですが、もうその場に相手はいないので、陰で愚痴を言うことが多いです。

無理に相手に怒りをぶつけなくていい

もしもあなたがHSPなら、一旦諍いから逃れて、自分の内面によい語りかけをし、あなた自身と相手の両方に愛情を示して心を落ち着かせる必要があるでしょう。かつては、怒りの原因となっている相手の代わりに枕を殴ることなどで、怒りを克服できると考えられていました。
(中略)
しかし、HSPの人が、体を使うなどの攻撃的な行動に出ると、怒りは消えるどころか、逆に増します。怒りを増幅させてしまうのです。こういうときは、怒りの気持ちを誰かに打ち明けるか、緊張を解く練習をするほうがずっとよいでしょう。
イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2016,P126-127

私が今まで行ってきた「その場で言い返さず(せず)、一旦場を離れる。愚痴は他人に言う」という方法は実はHSPには有効な対策だったと知って少し安心しました。その場で言い返せないのは、ただ言われたことを処理し切れていないだけのような気もしますが・・・

世間的には「スカッと・・・」のような、相手にはっきり物を言い論破することが気分のよいこと、格好いいことというような風潮の番組があるように、相手に強気に物を言える方が格好いい、うまく生きていけるような意見が多い気がします。(ちなみにあの番組は序盤の不穏な雰囲気を吸収してしまい気持ちが沈むので視聴を避けています。)私も自分の内向的な気質に嫌気がさしていた時期、傲慢な強気な自己中心的な人になれたらどんなに楽だろうと考えたことがありました。しかしHSPの気質に合わせた怒りの対処を行うことで自分の気質に上手く付き合っていけそうです。

相手の怒りはHSPの共感力を生かす

怒りというものは、傷つきそうな感情を隠すために表出することが多いものです。HSPには、こうした隠れた感情に気付く才能を持つ人が多くいます。
この才能は非常に建設的に生かせます。傷つきそうな感情につなげて考えられると、怒りに向いていたエネルギーの矛先が切り替わり、回復のプロセスに心を向けられる余裕が出てくるでしょう。
イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2016,P130

相手の怒りに敏感なHSPなので、なるべく相手が怒っている場には出会いたくないものですが(みんなそうか)、相手の感情をさらに読み取ることで自分の心に余裕を作るという考え方には目からウロコでした。人の感情を読み過ぎてしまうことは欠点だと思っていたので、それをさらに突き詰めて怒りに対処するとは思いませんでした。怒りが向けられている最中はおそらくパニックでそれどころではないと思いますが、徐々にこの方法を取り入れられたらなと思います。

「すべき」と道徳かせず、「だったらいいのに」と考える

HSPは、ほかの人よりも自分自身のことを道徳化する傾向があるでしょう。自分自身が設けた基準を満たせなくて自分を攻撃するのは悪い習慣です。
(中略)
「するべき」と道徳化するよりも、願いに基づいた言葉として発することで、この本を読んでくださっているあなたが、感情がすっかり変わったと感じられるよう私は願っています。
イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2016,P133-138

私は「~すべき」が自分自身にも見知らぬ他人にも向くことがあります。自分が自分の考える「すべき」の基準に満ちていないことは重々承知でガッカリしているのですが、これは「ありのままの自分を受け入れる」修行で以前よりは気にならなくなってきました。
厄介なのは見知らぬ他人にも「すべき」の基準を設け、勝手に怒っていることがあります。例えば交通ルールを守らない対向車の運転手や、
(私基準で)無礼な態度をとる学生に対してムカムカしていることがあります。
「すべき」を「だったらいいのに」に変えることで基準がすこし緩くなって自分も他人もすこし許せるようになれたらいいな。

いろんな怒りへの対処をHSPの気質を生かして行ったり、すこし考え方を変えて緩やかなものにできることが分かりました。

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