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【2020年5月】お気に入り記事まとめ

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買い物は「誰と付き合いたいか」を選ぶこと

買い物は「誰と付き合いたいか」を選ぶこと

「もし今10万円が手に入ったら、何に使いますか?」

私は消費者インタビューをする際に、必ずといっていいほど使ってきた質問だ。
普段どんな買い物をしているか、何から情報を得ているか。
直接こうした質問を投げかけるよりも、10万円の使い道を聞く方がリアルな話を聞けることが多いからだ。

質問された側は、予想していなかった問いに毎回困惑の表情を浮かべる。
これまで何十人もの人に同じ質問をしてきたけれど

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あたらしい家

あたらしい家



自宅で原稿を書くことが多くなって引っ越しをすることにした。

いままではシェアオフィスでガラス張りの個室をかりて、深夜に原稿や写真の作業をしていたのだけど、あるときすぐ後ろの個室にユーチューバーさんが入居してきた。ユーチューバーさんも深夜に収録や作業をすることがおおくて、深夜2時になんともいえない居心地のわるさを感じて撤退をした。

ノマド的にカフェで作業をしていると、コーヒーや食事代でなんだ

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わたしが見ている原っぱ。

わたしが見ている原っぱ。

ミレニアム以前、つまり90年代後半の話だ。

当時のぼくは、まだ本をつくっておらず、もっぱら週刊誌のライターをやっていた。ときには自分で企画を立てることもあったけれど、編集者が企画を立て、そのテーマに沿って取材することのほうがずっと多かった。そして、ぼくにまわってくる企画はなぜか、インターネット関連のものが多かった。「インターネットすごい!」「こんなディープな情報もある!」だけで立派に巻頭特集が組

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争って勝つことはスマートじゃない

争って勝つことはスマートじゃない

中国の兵法書、孫子はとても面白い本です。

もともと兵法書は、戦争に勝つための教科書です。ところが孫子では、「戦争はやらないほうがよいよ」という言葉が、何度も繰り返し語られます。

そもそも書の冒頭から、「戦争すると死んだり国がなくなっちゃうかもしれないし、お金もすごいかかるから、気軽にやっちゃだめだよ」ではじまりまるほど。だいぶ異端の兵法書なんです。

さらに言えば、孫子では勝利すら否定します。

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ぼくがいま、やるべきこと。

ぼくがいま、やるべきこと。

少しだけ意を決して、普段あまりしない話をしよう。

この3月から4月にかけて、なかなか原稿が進まなかった。聞き飽きた人も多いだろう。もう1年以上も前からぼくは、「ライターの教科書」的な本を書いている。書き続けている。その執筆ペースがここにきて、ガクンと落ちた。理由はやはり、新型コロナウイルスをめぐる諸々である。

これは大事な本なのだ、という意識は変わらない。自分にしか書けない本だし、自分が出さな

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