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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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#お仕事小説

本棚:『僕たちの月曜日』

働く男性が主人公のアンソロジー。ちなみ女性が主人公のものは『私たちの金曜日』となっておりまして、こちらは既読でした。働く男性が主人公の話というと、ここ最近で読んだことがあるのは奥田 英朗さんの『マドンナ』かな。あまり意識してないですが、たぶん、女性が主人公のものを読むことが多いんだろうなぁ。男性と女性で、そんなに違うのか?、同じところも結構あるんじゃないの?と思いつつも、世間や取り巻くものは色々違うはずで、でも戦っている何かは同じような気もして。 そうなんだ…と思ったのが、

本棚:『ガール』

30代の働く女性が主人公の短編集。独身、既婚、シングルマザーなど、悩みはそれぞれ違うけれど、女性ならば「あぁ、分かるわ~」と思いそう。でも、書いているのは男性作家。どうやって女性心理を掴んだのだろう。 30代。過ぎてしまった今となっては、「30代なんてまだまだ若い!」と思うけれど、20代の頃のような怖いもの知らずの無敵のような若さではなくて、少し先も見えつつあって、私このままでいいのかな…なんて思うお年頃でしょうか。40過ぎれば、落ち着くというのか、諦めがつくというのか、ジ

本棚:『書店ガール7』

シリーズ完結編です。第1章から第4章まで、主人公は愛奈、彩加、理子、亜紀。理子のところが一番ボリュームがあって、色々大変な状況でもあるのですが、理子は久々の登場。そして、最初の頃と比べると、理想の上司のような感じが強くなったなぁと思います。4人の主人公の中で、著者が一番好きなのは理子だと思っているのですが、どうでしょう。 第1章の学校で司書をしている愛奈の話では、ビブリオバトルをやることになります。その中で登場する本はどれも興味が引かれますが、その中の1つ『トトロの住む家』

本棚:『書店ガール5』

取手駅の改札の中にある書店の店長となった彩加。ここで求められるのはスピード。前にいた吉祥寺店のような、お客様との会話はほとんどなく、売れる本も違っていて…。 実はいまだにライトノベルの定義がよくわからないのですが、例えば図書館では若者向けの本棚があって、そこには自分がもう若者ではない頃に読んだ本も含まれていて「これって若者向けなのか」と思ったり。 私が読書をするようになったきっかけは2つあって、1つは小学生の頃。小4のときの担任が、朝よく本を読んでくれたから。そしてもう1つは

本棚:『私たちの金曜日』

働く女性たちのアンソロジー。恩田陸さんの『茶色の小壜』は、ゾクッとしました。有川ひろさんの『ファイターパイロットの君』は再読でしたが、おそらく前回と同じところで涙。田辺聖子さんの『美女山盛』は、今はそういう時代じゃないよね…と言い切れないかもとも思ったり。桐野夏生さんの『神様男』には、「ぜったい神様じゃないし!」と憤りを覚えたり。 仕事で自己実現しなきゃいけないとは思わないし、毎日変わり映えのない日々を過ごし、これをあと何十年も続けるのかと思うと空しくもなるけれど、それでも

本棚:『君たちに明日はない』

「日本ヒューマンリアクト㈱」という、いかがわしい社名のクビ切り職業集団に勤める33歳の村上真介。辞職勧告を促す自分に「何様だ」と何度か辞めようと思ったこともあるが、それでもこの仕事内容のどこかに心惹かれている自分もいて。 タイトルは知っていたので、ドラマ化されてたんだよなぁ~と調べてみると、2010年のNHKの土曜ドラマでした。もう一昔前ですね。キャストを見て、なるほど~と。 これまで辞職勧告を受けたことはないけれど、今後もそうだとは限らないわけで、自分がその立場になったら

本棚:『前略、今日も事件が起きています 東部郵便局の名探偵』

郵便にまつわる事件。その事件を解決に導くのは、なんと郵便局内の食堂で働くおじさんの助言!事件の行方とおじさんの正体とは? 年賀状の仕分けのバイト、一度やりたいなと思っていたことを思い出しました。高校生の頃はバイトに行く余裕がなく、大学生のころはちょうどその時期、帰省していたり。そうはいっても結局はやる気の問題だったかな。本書で郵便局の仕事の裏側がちょっとわかって、興味深かったです。ゆうパックや転居届、切手の料金が変わるときのことなど、「へぇ~」と。 大学卒業時、卒業旅行に行

本棚:『書店ガール3』

舞台は3.11から2年半経った吉祥寺と仙台。理子は東日本地区を統括するエリア・マネージャーを兼任。亜紀は育休から復帰し、文芸担当からビジネス書・資格・経済書の担当へ。今回、彼女たちが企画するフェアとは? 3.11からもうすぐ12年。あの頃は会社には歩いていける距離に住んでいて、地震は今まで経験した中で一番大きくて、「なに?何?どういうこと?」と思ったけれど、帰宅困難になることもなく、その後、テレビで地震のすごさを知りました。今回の舞台の1つである仙台は、大学生の時に過ごした場

本棚:『翻訳ガール』

「〇〇ガール」というタイトルのお仕事小説はどうも気になってしまいます。正しくは、女性が主人公というのにはこだわりはなく、お仕事小説が全般的に好きなのですが。 『翻訳会社「タナカ家」の災難』の続編になるのだと思うのですが、そうとは知らずに読み始めましたが、本書のみでも楽しめました。著者自身、翻訳会社で働いているそうですが、翻訳が違うだけで作品の雰囲気も変わるんだろうなぁ。 中学ぐらいまでの将来の夢が小説家でして、でも、自分には物語を生み出す才能はないわ…と気付き、でも、世の中

本棚:『アコギなのかリッパなのか』

かつては不良少年で、今は引退した大物政治家の事務所の事務員。そして時々 大学生の21歳、佐倉聖。腹違いの中学生の弟を養うため稼がなければならない。聖に押し付けられる雑用は、ワケありのものが多く…。 政治家を目指す物語はいくつか読んだことがあるけれど、事務所の事務員は初めて。普段は選挙の時ぐらいしか気にしないけれど、日々の暮らしは政治で決まっているんだよなぁとも思います。ボランティアでお手伝いをする人も結構いるんだなぁと知りました。ただ横目で見るだけじゃなくて、実際に政治家がど

本棚:『書店ガール2』

ペガサス書房の急な閉店後、吉祥寺に出店した大手書店チェーンの新興堂書店に正社員として採用された理子と亜紀。理子は店長。亜紀は本屋大賞に選ばれた作品のブレイクのきっかけを作ったことから、大賞作家に記念品を渡すプレゼンターに選出。しかし、その本屋大賞のパーティ会場で亜紀は突然倒れてしまい…。 子どもの頃には、街の小さな本屋さんがいくつかありましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。大型書店は専門書も充実していて、見た目も壮観ですが、すぐ行ける距離に本屋さんがないのは寂しい

本棚:『エール!1』

お仕事小説アンソロジー。登場するのは、漫画家、通信講座講師、プラネタリウム解説員、ディスプレイデザイナー、スポーツ・ライター、ツアー・コンダクター。 上記の6つの中で私が子どもの頃に憧れたのは漫画家。『りぼん』や『ちゃお』『デザート』とか読んでました。友だちと一緒に漫画を描くためのセットみたいなのを買って、スクリーントーンとか使ってみたこともあったなぁ。 でも、憧れの職業に就けたとしても、いろいろ悩むことはあるのでしょう。憧れが強ければ、もうダメだ…と思った時、簡単に他の道を