#白石かずこ
シン・現代詩レッスン88
白石かずこ「男根──スミコの誕生日のために」
スミコというのは、『不思議な国のアリス』を翻訳した矢川澄子。当時の白石かずこの遊び友達であり、澁澤龍彦の暴露本を書いた人。
矢川澄子は神のように澁澤龍彦を崇めて、有名芸術家との交遊もあったのだが、その中の一人として白石かずこがいたのだと思う。澁澤龍彦と別れた後の詩であるようだ。これも身体的な話で、白石かずこの中の男根は恐れる必要はない欲望の一つで(
シン・現代詩レッスン87
白石かずこ「バス停」
これもなかなか面白い詩だ。(アラブ)砂漠のバス停を詠んだそうなのだが、ふと日本のバス停のように現れるそれは記憶の場所としての幻想のバス停なのだ。それが蜃気楼のように感じられる。
一字空けの空白は空虚感のような雰囲気か。たどたどしい書き言葉。それがリズムとなっているのかもしれなかった。バスという乗り物は電車よりミステリー感が強いのは、普段乗り慣れていないとどこに連れて行かれ
シン・現代詩レッスン86
白石かずこ「雨季・または脱出の試み」
今日も手元に読めそうな詩は白石かずこしかないので続きである。本当は文字で書かれた白石かずこはクリープのないコーヒーだった(クリープなんて古風な死語になりつつあるのか?)。今は最初からカフェラテか?
まだまだ現役だった。遠藤周作のCMを探したのだがそっちは見つからない。
「雨季」は日本の季節感を言っているのだが、それが日本そのものとなっていく状態か?土地の
シン・現代詩レッスン85
白石かずこ「中国のユリシーズ」
昨日の続きで白石かずこ。白石かずこがなお今、現代詩で重要な詩人として読まれ続けているのは、昨日、中国映画を観てちょっと感じるところがあった。
ちなみにYouTubeでこの詩を朗読する様子も上がっているがそっちは喜劇かと思ってしまった。
「顔がなかった」という詩的言語。それは中国の人民服を着た当時の全体主義かもしれないが、今の中国や日本にも言えることかもしれない
シン・現代詩レッスン84
白石かずこ「Now is the time」
『現代詩手帖2024年10月号』は、「特集 シュルレアリスム宣言100周年」ということで借りたのだが、同時に「特集 白石かずこ、果てなき詩の航海」で白石かずこについて多少知ることになった。それまで知らなかったわけではなく、むしろ詩人としては有名で特にジャズ・ミュージシャンとの即興詩のポエトリーリーディングで有名だった。それはアメリカの偉大な詩人アレン