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(詩)はだか電球

銀河なる永遠と無限のまたたき
またその壮大な
宇宙交響楽のさびしさの中を
旅していたぼくが辿り着いた場所

三畳一間安アパートの
はだか電球の下


母はぼくを無理にひきとり
育てようとしたけれど
その願いは
ほんの数ヶ月で挫折した

その数ヶ月ぼくは
夕方仕事に出てゆく母を見送り
はだか電球の下で暮らし
眠りについた

母はそのうちすぐに
またしても男でしくじり、酒におぼれ

気が付くといつも
アパートのドアの前で寝ていた

ぼくを起こさないようにね


それからぼくがまた
施設に帰ってゆく日
母は仕事があるから駅に
見送りにはいけないと言い

ぼくに他に何もおみやげがないからと
はだか電球をひとつ持たせた


薄暗い夜行列車の中で
はだか電球は電気もないのに
ぼくのてのひらの中で灯っていた

ほおにあてると電気もないのに
はだか電球はあったかかった

うっすらと酒くさい母の
息のにおいが、していた

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