掌編小説|流れ星|シロクマ文芸部
流れ星の夜には百発百中なのだと、俯いていた妻が更に頭を垂れ、真剣に訴える。和室の中は、和モダンな間接照明がぼんやり灯っているのみで薄暗い。
目の前には布団の上で正座をして身を縮めている妻の姿がある。彼女を傷つけないよう、俺は音を立てずに息を吐いた。
「今夜がそうだって? 例の占い師が?」
「あ、うん。そう、設楽さん。こないだ予約したの。そしたら、今日のこと告げられて……」
「告げられてって」
どこまでプライベートなことを話してるんだ。
女ってのは、付き合いが深くなると