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読書高等学校

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黙読部は音読部の天敵というショートショートから、派生した作品、日高が通う読書高等学校という架空の高校の日常生活を描く ジャンルSFコメディ #創作大賞2022
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読書高等学校(入江貴文編⓹)

読書高等学校(入江貴文編⓹)

読書部の部室では、閻魔の星の感想会が開かれていた。
貴文のことになると、惚れ込んでしまう木島でさえ、本になったことが奇跡だと思う出来であった。
木島絵梨花「正直に言うと、設定が詰め込んでて、とっつきづらい才能のパレードという言葉がお似合いの、文学小説ですねクソですよ。今回ばかりは、恵美先輩の言う通りですね」
その言葉を聞いて、貴文は下を向いて、なんとなく思い当たる節と反省したくてもできないプライド

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読書高等学校(入江貴文編④)

貴文は、自分の書いた作品が本になったので、読みたいと言ってくれた長嶋篠に渡しに部室へとやってきた。
ガラガラと教室の引き扉をあけると、そこには、木島絵梨花と長島篠がいた。
「またか、恵美から聞いたけど、僕のファンなんだって、」
貴文は木島の方を、みながら、そう言うと、興奮した様子で、「はい、そうです」と返事をした。
その返事を聞いて、ふーんと頷いていると、
「実は、ファンから彼女になりたくて立候補

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読書高等学校(入江貴文編③)

恵美先輩は、読書部の部室に、たどり着いた。
かなり息が上がっていたのか、部室にいる入江貴文と長嶋篠に気づかれてしまう。
「恵美先輩、怒って家に帰ったんじゃなかったんですか。」
長嶋篠が、そう聞いてみると、恵美は、「あんたたちこそ、まだ部室にいたの、もう17時すぎだけど……」と言った。
貴文が、時計を確認して、「あぁ、もうこんな時間か、」と、とぼけた顔で言うと長嶋篠に帰るように、催促した。
長嶋篠「

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読書高等学校入江貴文編②

国岡先生と話し終えた入江貴文は、教室へともどった。
恵美先輩「なんの話してたの」
入江貴文「閻魔の星が落選したって」
恵美先輩「あっそう、残念だったね」
長嶋篠「閻魔の星ってなんですか。」
恵美先輩「篠は知らなくていいは、こいつが書いたくそ小説よ」
入江貴文「うん、そう俺が書いた意欲作だった。」
長嶋篠「へー、ジャンルはなんなんですか」
入江貴文「個人的には、SFだと思ってる。」
長嶋篠「ちょっと

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読書高等学校(入江貴文編)①

入江貴文が、自殺するニ年前、長嶋篠一年生、恵美 先輩2年生、入江貴文2年生、の3人が在籍してた年の物語である。
この頃はまだ、音読部が存在していないため、読書部に、長嶋篠が入部してきた。
恵美先輩「正式に部員になったって聞いたけど、よろしくね」
長嶋篠「よろしくお願いします。あのう体験入部の時にいたあの男の人は、お休みですか。」
恵美先輩「貴文くんね、どうせバスケ部に茶化しに行ってるんでしょ、ちょ

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読書高等学校(後日談)

#創作大賞2022

コンテストに送った小説の話を、恵美先輩の家に集まったときに、した。
恵美先輩「篠ちゃんは、推理小説にしたって聞いたんだけど、いつも官能小説なのに、急に路線変更してどうしたの」
日高「きっと、名探偵子守の世界に迷い込んだ時に、何かきっかけがあったんじゃないですか。」
長嶋篠「うるさい、違うから、ただジャンルの幅を広げたかっただけだし」
長嶋篠は、そう言うと不機嫌そうな顔をして、

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読書高等学校(最終話)

長嶋篠は、見当違いな推理をしていたのではないかと思い頬をを赤くしている。
日高はそんなことを、篠が思っているとも知らずに、頬を赤くしてどうしたのだろうと、篠の様子を伺った。
長嶋篠は、日高にジロジロ見られるせいで、行動を起こさなかった日高に腹を立ててしまった。
長嶋篠「あんたのせいで、本の世界から帰れなくなってしまったじゃないか。」
日高「本からの脱出方法を考えたけど、思いつかなかったし、とりあえ

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読書高等学校 最終話直前ダイジェスト

今までのあらすじ
読書高等学校に入学した日高は黙読部の長嶋篠といろいろあって付き合うことを決めた矢先に、音読部のいざこざに巻き込まれてしまい。
本の世界に迷い込んだ川島と堂島を助けて欲しいと言われる。クイズに成功したら、2人を助けられるシステムだったのだが、誤って日高がケーブルを抜いてしまい助けられなくなってしまった。
木島に本の世界へと行き本の主人公よりも先に事件解決をすれば、みんなが脱出できる

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読書高等学校(8話)

今までのあらすじ
木島の作った本の世界に入り込める装置で、名探偵子守魔性の女編という本の世界で、音読部の堂島、川島、黙読部の日高と長嶋篠は大暴れすることになった。
日高と堂島は、長嶋篠と合流できるかもしれないと考え名探偵子守と共に行動をともにしている。
一方で長嶋篠は、本の世界でおきた事件の犯人である花江と接触し、警察に自首させ事件解決を試みたが、なぜか花江が殺されてしまった。

銃弾が頭に貫いた

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読書高等学校(7話)

今までのあらすじ
本の世界にとじこめられてしまった生徒を助け出してほしいと、音読部の部員である木島からお願いされた長嶋篠は、日高とともに本の世界へと入った。
日高は、日の出中学校の生徒となって、本の世界の主人公である名探偵子守と接触を試み校門がみえる見通しのいい渡り廊下で立っていると、本の世界へと閉じこめられてしまった堂島くんと合流、その後名探偵子守と出会う。
子守の助手である加藤に、日高が今回の

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読書高等学校(6話)

今までのあらすじ
読書高等学校に入学した日高は黙読部に入部した。黙読部の先輩である長嶋篠と付き合うことになった矢先に、音読部の部員である木島から、本の中に入り込める機械による故障により閉じ込められてしまった生徒二人を助けてほしいと言われてしまう。
長嶋篠は、承諾して、日高と一緒に本の世界へと行くことになってしまったのである。

本日、深夜未明に、不可解な事件が発生したとして、警察は、現場へと急行し

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読書高等学校(5話)

今までのあらすじ
読書高等学校に入学した日高は、黙読部に入部した。
先輩部員の長嶋篠と出会い日高の入部を歓迎して歓迎会をやっていると、長嶋篠の知り合いの恵美先輩と出会った。
貴文と篠が分かれて、失恋したことを心配していた恵美先輩は、日高を無理やりくっつけようとしたが、失敗してしまった。
日高は、長嶋篠に、強制的に告白したことを、少し後悔して、明日の部活をやめようとおもったが、顧問の国岡先生から、出

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読書高等学校(4話)

今までのあらすじ
読書高等学校に入学した日高は、黙読部に入部することになった。
そして、日高の入部をお祝いして、街ノ公園で歓迎会が行われていた。
日高の2個上で先輩部員である長嶋篠先輩の知り合いの恵美先輩があらわれた。
恵美先輩は、失恋した長嶋篠のことが心配で、仕方なかっため、日高に付き合うように説得する。
日高は断ろうと試みたが、何をしても言いくるめられてしまい恵美先輩の言う通りに電話をかけた。

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読書高等学校(3話)

今までのあらすじ
読書高等学校に、入学した日高は、黙読部に体験入部をした。
先輩部員である長嶋篠に、部室内を案内してもっていると、音読部の音が響いてきた。
長嶋篠先輩と日高は、音読部にうるさいと文句に行くと、音読部の顧問に勧誘されたが、断り、一件落着
かと思ったが、黙読部の顧問である国岡先生に挨拶に行き黙読部に正式入部することになった。

日高が黙読部に入部したことを歓迎し、街ノ公園で、歓迎会がお

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