読書高等学校(後日談)

#創作大賞2022


コンテストに送った小説の話を、恵美先輩の家に集まったときに、した。
恵美先輩「篠ちゃんは、推理小説にしたって聞いたんだけど、いつも官能小説なのに、急に路線変更してどうしたの」
日高「きっと、名探偵子守の世界に迷い込んだ時に、何かきっかけがあったんじゃないですか。」
長嶋篠「うるさい、違うから、ただジャンルの幅を広げたかっただけだし」
長嶋篠は、そう言うと不機嫌そうな顔をして、動揺する。
名探偵子守の世界で花江の殺意を感じた時に、恐怖とスリルそして、推理小説に興味を深めたのだった。
恵美先輩「日高くんは、なんのジャンルの小説にしたの?」
日高「僕は冒険してみようと思って、SF小説にしました。」
長嶋篠「くへぇ〜SFねぇー、餓鬼んちょ、餓鬼んちょ。男って、すぐSF小説書きたがらない病気なの〜?」
恵美先輩「そんなことないと思うよ、あれは立派な小説だよ」
日高「そういえば、篠先輩は、SF嫌いでしたね」
恵美先輩「そりゃそうよ、あの入江貴文が得意としてたジャンルなんだから」
長嶋篠「なんで、小説の書き方を教えてやったのに、どうしてあんな奴と一緒のジャンルになるのよ」
恵美先輩「木島ちゃんから、入江作品である閻魔の星を音読部で音読していた時、急に音読部に乱入したって話、本当に面白かったわぁ」
日高「ごめんなさい篠先輩、ハグしましょうか。」
長嶋篠「いいわよ、そんなに気をつかわなくても」
恵美先輩「シノ、付き合ってるんだから、無理しなくていいよ」
長嶋篠「彼の小説が大好きだというよりは、彼の誠実な性格が大好きで、それで付き合いたいと志願したんです。
彼の不思議な力を感じた時に、これは吸い取るほどに愛さないといけないなって、思った。だからあそこまで、変になれたけど、彼を失った時に、あっ私が失わせたんだと思って、後悔して泣いたし、家にあった彼のSF小説を捨てたんです。」
恵美先輩「それは彼のことを忘れて乗り越えようとしたかったから、でもそれが余計に負担になった。」
長嶋篠「はい」
日高「………」
恵美先輩「本当は好きなんでしょSF小説」
長嶋篠「あんななんでもありな世界、面白くなるに決まってるじゃないですかずるいし、嫌いです。」
日高「官能小説だって、充分ずるいじゃないですか。」
長嶋篠「何がずるいって言うの、あれは生きとし生けるもの、人間としての本能が歩みだした最高傑作なのよ」
この後、篠先輩は、熱く語り出したのだった。

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