読書高等学校(3話)

今までのあらすじ
読書高等学校に、入学した日高は、黙読部に体験入部をした。
先輩部員である長嶋篠に、部室内を案内してもっていると、音読部の音が響いてきた。
長嶋篠先輩と日高は、音読部にうるさいと文句に行くと、音読部の顧問に勧誘されたが、断り、一件落着
かと思ったが、黙読部の顧問である国岡先生に挨拶に行き黙読部に正式入部することになった。

日高が黙読部に入部したことを歓迎し、街ノ公園で、歓迎会がおこなわれた。
長嶋先輩が、「3年1組長嶋篠よろしくね。しのでいいよ」と自己紹介をしたので、日高はそれに連れられて、自分も自己紹介をした。
初対面ではないが、この時に、お互いの名前を認識し合うことができたのである。
日高は、何か会話を弾ませなければいけないなと、思いつつ沈黙だけが続いていた。
勇気を振り絞り「篠先輩は、どうして、黙読部に入ったんですか」と聞いてみた。
すると、篠先輩は、「誰にも邪魔されずに、エッチなことを妄想できるから」と答えた。
日高は返答に困り、苦笑いをするしかなかったが、その苦笑いに連れられて、篠先輩が笑い出して、かおす状態になった。
「シノ、お久〜」
後頭部からそう囁かれ、日高と篠は、振り返った。
そこには、日高にとって初対面である女が立っていたのである。
篠先輩「あっ、久しぶり、恵美先輩」
どうやら、恵美先輩というらしい。
恵美先輩「篠ちゃん元気してた?これが日高くん」
日高は、脳で今の状況を処理できず数秒程フリーズしてしまった。
「日…日高です」
おそらく恵美先輩は読書高等学校の卒業生で、長嶋篠の先輩ということだろう。
恵美先輩「ねぇ日高くん、篠の彼氏になってあげてよ。元彼と別れて落ち込んでるところに可愛い後輩が、彼氏になってくれたほうが寂しがり屋の篠も元気になると思うのよ」
日高は困惑して篠先輩のほうをみた。
すると、篠先輩は、少しイライラして、「余計なお世話、」と言い放った。
恵美先輩「そうならいいんだけど、私はただかわいい後輩が楽しい青春してないのが、ただ可哀想だと思っただけよ」
すると篠先輩は、舌打ちをして、その後アイスを買いに、コンビニへとむかった。
そのせいで、日高は恵美先輩と二人っきりになってしまったのである。
日高は、興味本位で「なんか、あったんですか」と聞いてしまった。
すると、恵美先輩は、「気になるんだったら、教えてあげてもいいけど」と言い言いたそうに我慢していた口を開き始めた。
恵美先輩「あの子、心惹かれる男性には、束縛がすごいのよ」
日高「どういう束縛なんですか」
恵美先輩「毎日抱きしめてほしいとか絶対1日に一回は電話してほしいとか」
日高「すごいですね」
恵美先輩「それで、貴文くんがあんなことにね」
日高「貴文くんって、」
恵美先輩「篠の元彼の名前よ」
日高「で、貴文さんは、今は。」
恵美先輩「亡くなったわ、一説には、篠の呪いと言われてるけど」
日高「呪いってひどい」
恵美先輩「あなたもそう思う。」
日高「束縛するまで、自分のものにしたかった人が突如消えたわけですよね。そら、負担が大きかったんじゃないんですか。」
恵美先輩「だからこそ、篠には昔のしがらみに囚われて欲しくないのよ、篠と付き合いなさい」
日高「えっ…」
恵美先輩「えっ、何で聞けないの、女の私がお願いしてあげてるんだよ」
日高は女の私という言葉に違和感を感じて、少し苦笑いをして、「嫌です」と答えた。
すると恵美先輩は、不機嫌になり、日高を説得しようと試みてきた。
恵美先輩「何が嫌なの」
日高「急に言われても覚悟できないというか。気持ちの問題が……」
恵美先輩「あっ、そうだったら、さっさっと気持ちを作りなさい」
日高「………」
恵美先輩「気持ちができたら、早く篠と連絡取りなさい」
日高「付き合ったら、最悪死ぬかもしれないんですよね曰く付きの物件じゃないですか。嫌ですよ」
恵美先輩「あなた、本気で言ってるの、貴文くんが死んだのは篠のせいなんかじゃないそれは、あなたもわかってるでしょう」
日高「ですよねすみません……」
恵美先輩「たしかに、二人を無理やりくっつけようとするのは良くないって、わかってるんだけど、あんなこと2度と言ったらダメだから、罪の意識があるんだったら、篠に電話をかけなさい。そしてデートの日取りを決めなさい」
日高は、恵美先輩の言う通りに従って、この場をやり過ごそうと思うようになった。
何を言ったって、言いくるめられてしまうからだ。
そして、日高は、篠先輩に付き合おうと誘ってみることにした。















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