読書高等学校(5話)

今までのあらすじ
読書高等学校に入学した日高は、黙読部に入部した。
先輩部員の長嶋篠と出会い日高の入部を歓迎して歓迎会をやっていると、長嶋篠の知り合いの恵美先輩と出会った。
貴文と篠が分かれて、失恋したことを心配していた恵美先輩は、日高を無理やりくっつけようとしたが、失敗してしまった。
日高は、長嶋篠に、強制的に告白したことを、少し後悔して、明日の部活をやめようとおもったが、顧問の国岡先生から、出版社のコンテストに応募したいかと誘われて、乗ってしまい黙読部の部室へと向かうことになってしまった。

国岡先生の策略にまんまとハマってしまった日高は、部室へと行くことになってしまった。
部室のドアを開けると、長嶋篠が、椅子に座って読書をしていた。
日高は少し気まずい雰囲気を感じ取りながら、「お…おはよう」と勇気を振り絞っていってみた。
すると、篠は「どうしたの、なんか苦笑いして気持ち悪いよ、」と言った。
日高は、「どうしたのって、不機嫌そうに、電話を切ったから振られたんじゃないかと思ってさぁ」と言うと、篠は、「あんたを振ろうなんて思ってないよ。ただ困惑して電話を切っちゃっただけ」と言った。
日高は、ホッとして、「そうなんだ。よかった」とぼそっと漏らしてしまった。
篠は「よくない、恵美先輩の入れ知恵でしょ、私はあんなの気持ちが、ほしいのよ。どうしてあの時告白したの、ただの興味、異性の体を味わいたかったんでしょ。私と貴文くんもそうだった。そして、最終的には脳みそが破損するほど愛したいし、愛されたいと思った。それがあなにできる覚悟はあるの」と口を開いた。
その言葉を聞いた日高は、すこし慄き椅子を倒したが、理性を失い本能に忠実な思考回路になってしまったからか、「でき…ます」と言って篠先輩に抱きついた。
日高が抱きつくと、篠先輩は少し頷き手を強く握って、「そう、それでいいの」と呟いた。
茫然とみていた国岡先生は、あわてて、2人を離した。
国岡先生は「抱きつかないでください、離れて離れて、日高これ」と言って原稿用紙を渡した。
それをみていた篠が、「へー受けるんだ」と言って感心した眼差しを日高に向けた。
日高はすこし照れ臭そうに、頬を赤くして、「絶対に、入選します」と高らかに宣言した。
国岡先生は、「おぅ、期待しているぞ」と微笑みながら返し、日高は「はい」とすこし気合を入れた返事をした。
すると篠が「良い作品を作るの手伝ってあげる。付き合おうよ」と言ってきた。
日高は予想外だと思いたい出来事に、嬉しさを感じて、これは、篠先輩なりの応援なんだ。期待に応えなくてはならないと思って、「付き合いましょう」と言いました。
国岡先生は、カップル誕生の名場面にうっとりしながらも、「絶対に問題は起こすなよ」と釘を刺した。
そんな黙読部の部室に、音読部の部員である木島が、国岡先生を呼びにきたのである。
木島は、「国岡先生いませんか」と勢いよく返事をした。
国岡先生は、なんだろうと思って理由を聞くと、木島は「実は、本の世界に入ることができる機械が故障してしまって、生徒が二人取り残されてしまったんです。そこで、この学校の文豪である長嶋篠さんに、お二人を助ける協力を求めにきました。」と言った。
篠は突然のことに困惑しながらも、面白そうだと思って、協力することにして、日高と国岡先生と共に、その機械がある場所まで、木島さんに案内してもらうことにした。
大きくて白いカプセルのような場所に、生徒が入っており、そのカプセルからケーブルがでていて、パソコンにつながっていた。
木島は、「これが機械です。お二人を救い出してください」と説明した。
木島の冷静沈着な態度に、そこし違和感を感じた日高は、「このケーブルを外せば良いじゃないの」と言い外そうとすると、木島は慌てた様子で、「やめて」と叫んだが、外してしまった。
木島は、ケーブルを外してしまった日高に「どうして外したの、」と問いただした。
日高は、すっと外してしまったため、何も言えなくなってしまった。
すると、木島は「実はこれは文化祭の出し物でして、ケーブルに繋がれてたパソコンに表示されている問題に全問正解すると、カプセルが自動で開くという仕組みだったのですが、ケーブルが外れてしまったので、カプセルを開けることができなくなってしまいました。」と言った。
長嶋篠は、「なるほど、日高のせいですね」と突き放したような言い方をして、日高はすこし傷ついた。
すると、木島は「これは危険な方法ですが、あな達も、カンプセルに入ってる子達が冒険している作品に行ってもらいます」と言った。
篠は、行くことに決めて、日高とともに、作品の中の世界に行くことになった。
木島は二人を見送りながら、「サスペンス小説です。主人公たちよりも早く事件を解決してくださいね」と言った。






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