読書高等学校(4話)

今までのあらすじ
読書高等学校に入学した日高は、黙読部に入部することになった。
そして、日高の入部をお祝いして、街ノ公園で歓迎会が行われていた。
日高の2個上で先輩部員である長嶋篠先輩の知り合いの恵美先輩があらわれた。
恵美先輩は、失恋した長嶋篠のことが心配で、仕方なかっため、日高に付き合うように説得する。
日高は断ろうと試みたが、何をしても言いくるめられてしまい恵美先輩の言う通りに電話をかけた。

恵美先輩の余計なお世話加減にイラついた、勢いで、アイスを買いに行くことになってしまった。
篠はコンビニで、アイスを選んでいた。
自分の分のアイスを選んでいると、ピノが目に止まった。
「貴文くんピノ好きだったな」と小さな声で、思わず呟いてしまった。
その時知らない電話番号から、着信がきて、恐る恐る電話に出てみると、日高だったのである。
日高「もしもし篠先輩、今どこにいるんですか」
篠「コンビニだけど…」
日高「…」
篠「もしかして、恵美先輩に電話してとか言われたの…」
日高「う…うん」
篠は少しため息をついて、「そう」と言った。
日高は、最悪の雰囲気になってくることを、察して、早急にこの電話を終わらそうと思って、「篠先輩、僕と付き合ってください」と言った。
篠先輩は、少しびっくりして、「えっ」と言い不機嫌そうに、「別に良いけど」と言って電話を切った。
恵美先輩は、電話のやりとりを日高から聞くと、「あぁー、ふられたかぁ、ごめんなぁ」と言って帰っていった。
日高は、自分が言った発言をすこし後悔して、ため息をつき、明日部活に行こうか悩んでいた。
そして、あっさりと明日がやってきて、1時間目の授業が始まった。
教科は国語で、黙読部の顧問の国岡先生の担当である。
授業が終わった後、日高は国岡先生に呼び出された。
国岡「今日の部活の時間に重要なことを発表するから、放課後職員室に呼びに来てほしい」
日高「えっ」
なんで、わざわざ呼びに行かないといけないのか。そんなに重要だったら、国岡先生自ら黙読部にきたら良いじゃないかと思って呆れた。
日高「今日部活休もうと思ってるんで…すみません」
国岡「先生残念だなぁ、篠から聞いたぞ、面白い子だから、小説家に向いてるって……」
日高「小説家……」
国岡「そうだよぉ、今度出版社で、コンテストがあって、作品を応募することになっているんだ。このコンテストで、認められて、小説家になり直木賞を取った子だっているんだよ」
日高「へぇ〜直木賞を取ったって子はちなみに誰なんですか。」
国岡「学校のホームページにも、かいてるんだけど、この学校の卒業生で入江貴文というペンネームで活動していた子なんだけど知らないか。」
日高「貴文…」
国岡「その感じじゃ名前だけは知ってるみたいだねぇ、長嶋篠さんが仲が良かったみたいだから、聞いてみたら良いよ」
日高「そうですか…」
国岡「コンテストに興味はあるかなぁ」
日高「あります」
国岡「じゃあ、放課後に応募方法と原稿用紙を、配るから呼んでよね」
日高「はい…」
日高は、出版社のコンテストに応募することにしたので、放課後に職員室にいる国岡先生を呼びに行くことにした。
すると、すぐ原稿用紙をくれると思っていたら、「じゃあ、部室行こか」と言いだし、黙読部の部室へと向かった。











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