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GIVERを装ったTAKER: 職場での承認欲求モンスターの考察

以前、職場での承認欲求モンスターを考察が中途半端に終わってしまったので再考しました。でも、結構奥が深くて完結はしていません。承認を求めるプロセスの中で、GIVEをしていることに焦点をあてて考察してみました。結論としては、「タチが悪いので関わらない」です。


人間関係の中には、多くの「GIVER」と「TAKER」が存在する。GIVERは無私の心で他者に助けを提供し、TAKERは逆に他者から利益を得ることを目的とする人たちだ。

しかし、GIVERを装ったTAKERという、表面上はGIVERに見えるが実はTAKERである者たちも存在する。彼らは寛大なGIVERのように見え、周囲から称賛や尊敬を集めることも多いが、その本質は見返りを期待している。ここではGIVERを装ったTAKERの特性と影響、そして彼らが抱えるコミュニケーションの問題について深く掘り下げて考察していく。


GIVERを装ったTAKERの特徴

GIVERを装ったTAKERは、一見すると真のGIVERと見分けがつきにくいです。惜しみなく与え、周囲から称賛や感謝を集めることが多いが、実際には自己の利益や承認欲求を満たすために行動している。以下、特徴をあげる。

1. 承認欲求のためのGIVE

GIVERを装ったTAKERの最も顕著な特徴は、承認欲求を満たすためにGIVEすることだ。彼らは他者からの感謝や称賛を求め、それが得られるような行動を取る。「与える」のではなく、「与えてやる」が垣間見える。例えば、他者が本当に必要としていない助けを無理に提供したり、自分の行動を誇示するような発言をする。自分をGIVERと言う人は漏れなくここに当てはまる。

このような行動は、彼らが自己肯定感を高めたいという欲求に根ざしているとわたしは推察している。彼らにとって、他者からの承認や賞賛は、自分自身の価値を確認するための手段なのだ。このため、GIVEする行為が他者にとって迷惑であるかどうかは考慮されない。重要なのは、自分がどれだけ他者から認められるかという点にのみある。

2. 自己利益の追求

彼らのGIVEは、自己利益を追求する手段に過ぎない。たとえば、仕事場で他人を助けることで自分の評価を上げたり、リーダーシップを誇示したりする。しかし、これらの行動は純粋な助けではなく、自分の利益を追求するための手段に過ぎない。

例えば、プロジェクトの成功に貢献することで自分のキャリアを有利に進めようとする行動は、表面的にはGIVERの行動に見えますが、その実、自分の利益を最優先に考えていると言える。これが長期的にはチームの信頼関係を損なう原因となりかねない。

3. コミュニケーションコストの増大

GIVERを装ったTAKERは、他者の貴重な時間やエネルギーを消費する。彼らは必要以上に関わりを持ちたがり、他者のニーズを無視して自己満足のために行動する。このため、周囲の人々は彼らとのコミュニケーションに多大なコストを払うことになりがちだ。

彼らの行動は、例えば会議の場面で見られる。GIVERを装ったTAKERは、必要以上に発言を繰り返し、自分の意見やアドバイスを強調する。その内容が薄いにも関わらず、だ。このような行動は、会議の進行を妨げるだけでなく、他の参加者のエネルギーや集中力を削ぐことになる。

承認欲求モンスター: 押し付けGIVERの実態

特に厄介なのが、承認欲求モンスターだ。彼らは目に見えない「承認」という形のないものをTAKEしようとする。ニーズのないものに対してまでGIVEをするのは、GIVEすれば他者からの承認が得られると勘違いしているからだ。その結果、他者の貴重な時間やエネルギーをTAKEし、コミュニケーションコストが高くなる。承認欲求モンスターは、「押し売りセールスマン」や「押し付けGIVER」という評価が妥当だ。

承認欲求モンスターの例

例えば、職場において、頼んでいないのにアドバイスをしてくる同僚がいる。彼らは自分の知識や経験を示すことで承認されたいと思っているが、実際には他人の時間を奪い、ストレスを与えているだけだ。また、頻繁に「手伝おうか?」と申し出るが、その実、手伝うことで感謝や称賛を得ることを期待している場合がほとんどだ。これらの行動は、表面的には親切心からのものに見えるが、実際には自己中心的な動機に基づいている。

さらに、承認欲求モンスターは、社交の場面でも問題を引き起こす。例えば、パーティーや集まりで、自分の話ばかりをする人がいる。彼らは他者の話を聞くことなく、自分の経験や意見をひたすら壊れたラジオのように語り続ける。これもまた、承認を求める行動の一環であり、他者とのコミュニケーションを一方的なものにする。

コミュニケーション問題: 「伝わる」と「伝えた」の違い

GIVERを装ったTAKERとの関係で大きな問題の一つは、コミュニケーションに対する意識の違いにある。彼らは「伝わる」ことを意識せず、「伝えた」ことを重視する。この違いが、彼らの行動の本質を理解する上で重要なポイントとなる。

コミュニケーションにおいて「伝わる」ことは、相手がメッセージを理解し、受け入れることを意味する。真のGIVERは、相手のニーズや状況を理解し、適切なタイミングで助けを提供する。彼らは、相手が実際に助けを必要としているかどうかを確認し、その上で行動する。

一方で、GIVERを装ったTAKERは「伝えた」ことを重視する。そもそも「傾聴」の概念がないのだろう。彼らは自己満足のために行動し、相手が実際に必要としているかどうかを考慮しない。このため、彼らの助けは往々にして押し付けがましく、相手にとって負担となる。

GIVERを装ったTAKERへの対処法

では、GIVERを装ったTAKERに対処するためにはどうすればよいのだろうか。

1. 意図を見抜く

まず、彼らの行動の背後にある意図を見抜くことが重要だ。単なる親切心からの行動か、それとも自己利益を追求するための行動かを見極めることが必要である。これは、彼らの行動を観察し、パターンを理解することで可能になる。

2. 境界線を設定する(距離を置く)

次に、適切な境界線を設定することだ。GIVERを装ったTAKERは他者の時間やエネルギーを奪うことが多いので、自分の限界を明確に伝えることが重要だ。例えば、助けを申し出られた場合でも、自分のニーズを優先し、必要でない場合はNOと言う。言わなければ分からない人たちだからだ。

3. フィードバックを提供する

フィードバックを提供することも効果的だ。彼らが気づいていない場合も多いため、具体的な行動についてのフィードバックを提供し、こちらの意思を明確に伝える。ただし、フィードバックにより行動の改善は求められない。そういう人たちではないからモンスターなのだ。

例えば、「あなたの助けを感謝していますが、今は自分でやりたいので、その時間を他のことに使ってもらえると助かります」というように、感謝の気持ちを伝えつつ、無難にあつらうことが重要だ。本気で対峙しなければならない場合は戦う覚悟をもって、責任者を通じて対処する。


結論:「タチが悪いので関わらない」

GIVERを装ったTAKERは、一見すると親切心から行動しているように見えるが、その背後には自己利益や承認欲求が隠れている。この意味ではサイコパスと思った方がよい。改善を求めることは徒労だ。割り切るか、戦うかの二択しかない。距離を置き、長期的に同じチームになりそうなら戦う覚悟をもって責任者を通じて環境改善を図る。TAKEされないことが肝要だとわたしは思う。


モンスターの立ち位置

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