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#エッセイ
人生でいちばん大切なことを教えてくれた、あるおばあさんとの1ヶ月
人は死んでも、死なない「そういえば、そろそろ5年経つかな?」
「うん、そうだね。」
「今思い出しても、かっこいい旅立ちだったよね。」
「うんうん。あんなにすがすがしいお看取りは
後にも先にもないよね。」
かつての同僚と飲みに行くと
看護師である私たちは、決まってある患者さんの話をします。
名前は田中さん(仮名)
大腸がんで5年前に亡くなった患者さんです。
彼女は私が関わった患者さんの中でも
人生を教えてくれた、ローソンの1番くじ。
土曜日に、『1番くじ』なるものが
ローソンで開催されていた。
1番くじというのは、
お金を払ってくじを引くと
絶対に何か当たるという
ハズレ無しのくじ引きの事らしい。
土曜日に開催された1番くじは、
鬼滅の刃のグッズが当たるというものだった。
高いか安いかはさておき、1回680円。
私たちの住んでいるエリアのローソンでは
1人5回まで引けるらしい。
先程から「らしい」と使っているのは、
私が
ピンクのドレスが、私に教えてくれたこと
その昔、私はまぎれもなく、クラスで一番ダサい女の子だった。
物心ついた頃から、服を買いに行くのが苦手だった。
うちの母は、1000円で買ったクマのワッペンがついた毛玉だらけのトレーナーを何年も着潰しているような人で、その母と一緒に買い物に行っても、可愛い!似合う!なんて会話は皆無。ふたりして黙々と、端から値札をひっくり返しては見ているばかりだった。
「高い」と顔をしかめられるのがいやで、本当に