回想録、小説風。干しますか、干しませんか。干しがりません、(惰性に)勝つまでは……!梅干し人任せレシピノート。
※思い出と美味しさの布教です。
彩りの美しい梅干しの写真をお借りしつつ、全力で手抜きな話が続く予定で申し訳ないです……。共有ありがとうございます……!
当家の『梅干し(仮)』は『良い色になれば酒(消毒)も使わなければ乾かし(干し)もしない、石も乗せなければ水分も回収しない』ので、今年の梅も干さずにもう食べているのですが、実家の祖母は干していたな、と。
先日久しぶりに干された梅の香りがしたので、そんな振り返りnoteです。
先にやる気ゼロ近い梅仕込み手法noteを置かせてください。自分は手伝い分を貰った後も、窓辺に更に放置してやわらか梅干しにします。
なお、手抜き軸を極めた師の『梅を干さなくなった原因』は、恐らく主に自分の『つまみ食い』です。すみませんでした。
今の梅が不味いとかはないので反省はないですが後悔はしています……何故ならば。
ーー乾かし中の梅干しが食べたい。
夏の美味しい食べ物代表、
干している最中の梅。
ーー持論です。語らせてください。
まず要約。毎日ぬくぬくになる梅干しを広げて干す当家だったので、運動部帰りの自分には香りと食欲で夏場の干し梅は飯テロでした。
そして時代は過去に遡るーー…
これはDX文明開化の前、英国は好きながら米国は好きな米の国の住民の話。
自分の心に未だ住むクソガキが……、田舎に『とあるクソガキ』が居た。米国の英語という謎の科目に興味を持てなかった結果、すくすくと外国語の使えない自分が育って今に至る余談を添えて。
そんな当時からの夢(主張しつつも叶える努力を怠っているもの)のひとつに『クランベリー畑で泳ぎたい!!!』というものがある。
クランベリーは収穫時にすり鉢型の畑に水を張り、木から取れて浮いてきた実を掬って集めると聞く。そうすると完熟の実が浮いてくるらしい。そこにザルを持って入り、着衣泳しながらふたつの意味でみずみずしいクランベリーを食べ放題したい!という、欲望マシマシの願望だ。
『ぜひぜひ画像検索してほしいです。青い空に赤い実で素晴らしい収穫風景なので……!』
後に複数回語る事になり、未だに語り続けているが、日本にそんなクランベリー畑は無いのである。
そんな酸味のある食べ物と果物が好きなレモンかける派、梅干しの並ぶござは自分にとって『お膳立て付きの梅干し採り放題』、飛び込めないものの実質『水の張られた完熟クランベリー畑』の様なもの。
玄関横に広げられた籠ではなく『ござ一面に並ぶ斑に染まる完熟の梅』が、食欲も疲れもピークの運動部員に香り付きで存在を主張してくれば、最早降伏するしか選択肢はなくーーそして強要られる行動は略奪で、自分は可愛い梅干し達を守り切れませんでした……!( )
「後悔はしていない、よって反省は必要もない。強要られているんだ!梅を出せ!!!( ) 」
確信犯Aは生意気かつ縋る様に脅し文句を叫び、しかし我に返り真顔で続けた。ーーただ感想を言うならば。
「本当に。本ッ当ーーに美味しい。」
干しているので手で直に持っても塩くらいしか汚れない疲労回復の味方、梅酢と赤紫蘇で香りのよい塩、結晶化した塩化ナトリウムを舐めれば次の一口が水を求め、結果手元の梅を求める。摘まみ持つ梅は食欲を誘う色彩で、塩味の効いた温かい梅をそのまま齧れば唾液と化学反応する旨味が溢れ、次の一口は避けられない宿命みたいなもの。
口の中でアルカリ性から酸性に変化する美味しさは『料理は化学』である事を物語る。でも食べ盛りの部活帰り、そして季節は夏である。疲れを中和するのには一粒では足りない。空腹も追い討ちをかけてくる……。
所詮自分は疲労と腹の虫の奴隷である。美味しいにも勝てない。薄く張り付いた赤紫蘇まで頂きながら、次の犠牲者を品定めする。何度でも言おう、強要られているんだ!!!
『山があるから登らないといけない』のであれば、『梅が広がるなら食べないといけない』に違いないーー多分。きっと。恐らくは。そして『クランベリー畑は泳がないといけない』から。この選択は間違いではない……!
甘くはないのに甘美とは如何なるものか。嗚呼、良い塩梅とはよう言うもので……!!!( )
でも、
ーーまぁ毎日二桁近く減る梅のつまみ食いはバレますよね……。(昼夕の二回、一回三個前後。)
ただし、味を覚えた原因は潰れた梅を食卓に乗せた祖母の優しさだ。そう責任転嫁しよう。
そして問題はもうひとつ。梅を漬ける甕を見て、頼まれた片付けをしながらギリギリバレない数を目算して、翌日美味しくつまんでいたのに、何故バレるか?( )
主犯と現場処理は同一犯だ。翌日干す前に見たとして、どう考えても二桁近く減らない限りは気付かれない計算だ。片付けは引き続き優しく恩を着せる自分である、証拠隠滅は図らずとも完璧なはず。
おかしい……。だから首は俯く方ではなく、仰いで斜めに傾けよう。腕は組むか、髪が長いなら華麗に舞わせていけ。
ーー幸い我が家は黙秘権と共に、嘘は吐かない教えが染み渡っている。
「でも食べてるの俺だけじゃないでしょ」
頭悪く未来の計算はしていても、過去との比較をしていなかった。それでもバレる筈がないという怪しい自信を元にした力強い断定。続きは自分にも家族にも言おう、黙っておけば良いものを……!( )
ーーそしてこの予測は的中した。
つまみ食いしていたのは自分だけではなかったと!一家総出で食べていたと……ッ!( )
無罪まさかのゼロ人!!!
それでも自分が飛び抜けているのは否定できませんでした。完。
さて。……実はこのnote、フードエッセイのレシピ枠で夏の思い出と梅干し愛の語り枠なのです。
『誰かが干してくれれば美味しく食べれる夏限定の梅』はいかがですか?( )
・今年の梅干し(漬け)
・干してくれる人
・良い天気とある程度の気温
・バレても全て開き直る気持ち
干して貰ったら午後に美味しく食べるだけ!簡単!美味しい!幸せ!!!( )
……つまみ食いが美味しいのです。自分で作らないごはんはそれだけで美味しいまであります。が、干してくれる人が居ない自分のお仲間様は、一緒に窓辺の皿に、梅と悲しみを乗せて並べませんか……?( )
ーーッどうぞ美味しい夏を!
閲覧ありがとうございました……!
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