読書まとめ『最新IT用語集 厳選50』→「今」を知るには、IT用語を知れ
『イラストでわかる 最新IT用語集 厳選50』大河原 克行
(2023/2/20発行)
一言で言うと
「今」を知るには、IT用語を知れ
概要
IT用語のトレンドを押さえておこうと思い、読んでみました。いまやITは生活のあらゆる面で欠かせないものとなっており、最新のニュースについていくためにも必要な知識だと思います。
本書では、最新IT用語が50個、浅く広く紹介されています。Web系やメタバースなど自分の専門領域外の用語や、Society5.0やSXなどの抽象度が高い用語の概要をつかむことができました。また、自分の専門領域内の用語については、かみ砕いて説明する方法を学べました。
掲載されているイラストは、図解寄りのものもいくつかあります。矢印でつないで関係を伝えるもの、複数の概念を対比させたものなど。ただ、イメージを掻き立てるためのオマケ程度(なくても支障がない)のイラストも散見されました。
本稿では、本書からの学びを3点共有します。
① 気になるデータは、ソースも読む
各用語について、トレンドであることを裏付けるデータが掲載されています。市場規模や普及率など、いずれも右肩上がりで景気のいいデータばかり。各用語に対するデータは1~2個ではありますが、データの出典も記載されており、自分で深掘りしていくことが可能です。
公的機関が定期的に調査して一般公開しているレポートがたくさんあることを再認識しました。マーケット調査会社のレポートは有料だし、ベンダー主体の調査だとニュートラルではない可能性を疑ってしまいます。公的機関の公開レポートなら、図書館と同様に税金サブスクなので、有効活用しない手はありません。特に、下記のレポートは仕事との関わりが深く、目を通しておきたいと感じました。
経済産業省:DXレポート
総務省:情報通信白書
日本情報システムユーザー協会(JUAS):企業IT動向調査報告書
② 最新ITの動向は、アメリカを見ろ
最新技術の導入率では、アメリカが常に先行している印象です。日本は基本的に追いかける立場であり、海外のトレンドをいち早く日本に持ち込む「タイムマシン経営」という考え方もあるくらいです。海外でこんなのが流行っている、と日本の書籍で紹介されている時点で、すでに最先端とはタイムラグが生じていることは認識しておくべきでしょう。やはり英語で海外のニュースを入手するのがベストなのかなー。
ハイブリッドワークの普及率では、中国が最多でした(情報通信白書 令和4年度)。意外だなと思って調べてみると、中国はスマホの普及・進化が早かったこともありますが、企業間の競争激化に伴う労働環境の問題など、ネガティブな理由も読み取れました。新しい技術は、人々の生活を豊かにする一方、激しい競争を生むことも理解しておかなければならないと感じました。
③ 集約型から、つながりのある分散型へ
Web3.0、暗号資産、NFTなど、ブロックチェーンを基盤にした分散管理の考え方がトレンドになっています。テレワークやワーケーションも、仕事場をオフィスに集中させない、という意味では分散型の勤務形態だと言えますね。
Web1.0の時代も分散型の社会といえますが、Web3.0は「つながりのある分散型社会」だと感じました。一見バラバラに見えて実は同じ秩序に従っている社会って、ひまわりがみんな太陽の方向を向いているような、植物的な社会なのではと思います。自然界の大先輩である植物に、人類がようやく追いついた、なんて考えてみたりして。
つながりの少ない分散型:狩猟採集、Web1.0(一方通行)
集約型:農業、工業、Web2.0(プラットフォームが仲介)
つながりのある分散型:植物型?、Web3.0(個人間でつながる)
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