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時代の転換点について

時代の転換点について

芸能界やテレビ・バラエティの歴史を考える上で、「いいとも」が終わり、「バイキング」が始まった時は、時代の転換点だったように思える。われわれは「ポストいいとも」の時代を生きている。

もう記憶も曖昧だが、アナログテレビが地デジに切り替わる瞬間、僕は「いいとも」を見ていた。

その時タモさんが何を喋ったかは、今や全く覚えていない。しかしそのときのタモさんの独特の雰囲気は覚えている。大真面目なステートメ

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millennium parade "lost and found"のポップソングとしての可能性

millennium parade "lost and found"のポップソングとしての可能性

2020年4月22日にmillennium paradeの新作"Fly with me"が世に出る。2019年はKing Gnuの頭脳として目覚ましい活躍を見せた常田大希が、今年はミレパに力を注いでいくのは間違いないだろう。"Fly with me"は攻殻機動隊の主題歌にもなっている。多くの海外ファンを持つ攻殻機動隊とタッグを組むことは、ミレパにとって千載一遇の好機である。彼らが世界を魅了しうるか

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失われたKing Gnu のワルさ『Tokyo Rendez-Vous』と『傘』を聞いて思うこと

失われたKing Gnu のワルさ『Tokyo Rendez-Vous』と『傘』を聞いて思うこと

良いアルバムには、良い一曲目がある。一曲目が良ければ良いほど、アルバムの世界観に没入できる。宇多田ヒカルの『道』にしろ、米津玄師の『飛燕』にしろ、良い一曲目はそのアルバムがどんな意味を持つのかを示してくれる。その上でリスナーをワクワクさせてくれる。次の曲は何? アルバムをどう締めるの?   否応無しにそんな期待をさせられる。アーティストにとってアルバムの一曲目は、所信表明の意味合いがある。それ故に

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millennium parade 「Fly with me」のどこにKing Gnuみを感じるのか考察してみた。

millennium parade 「Fly with me」のどこにKing Gnuみを感じるのか考察してみた。

この記事を読んでくれてる人なら知っているとは思うが、まだ聞いたことない人は是非一度見てほしい。

(何遍見てもMVかっけぇなぁ…)

東京のバンド、millennium paradeの最新作である。millennium paradeはKing GnuのGt.Vo.の常田大希がリーダーを務める音楽プロジェクトで、昨年5月、時期的には「白日」をリリースした暁に結成された。ちなみにデビュー曲がこれ。

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星野源の「恋」が好きじゃない理由が4年かけて分かった

星野源の「恋」が好きじゃない理由が4年かけて分かった

まず勘違いして欲しくないのが、星野源自体は嫌いじゃないです。音楽も演技もかなり好きな部類です。それだけでなく彼の穏やかで知的で、かつ生きることを楽しみきる姿勢を僕はとても尊敬しています。

その上ではっきりいいます。星野源の「恋」、あれはやっぱりイケすかない。気に食わない。どうしても。

僕が嫌いなのは歌詞のこの部分
「意味なんかないさ 暮らしがあるだけ」
ここです。初めて聞いたときは漠然と
「は

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小沢健二が大好きだ

小沢健二が大好きだ

ブギー・バック。渋谷系。フリッパーズ・ギター。これらすべて、僕にとっては過去のものだ。1980年代後半~1990年代半ばに起こったムーブメントは、1996年に生まれた僕にとって体験しようのない歴史上の出来事でしかない。当時を振り返った小説やエッセイ、評論は数多く存在するので、当時の渋谷の雰囲気や小沢健二の衝撃を追体験することはできる。ただ、追体験はあくまで擬似なのだ。90年代を生きていない僕にとっ

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僕のヒップホップ年表

僕のヒップホップ年表

ヒップホップほど入るのが難しい音楽ってあるだろうか。J-POPに慣れ親しんできた人たちにとって、ヒップホップって普段聞いている音楽と違いすぎて、「どう楽しめばいいか分からない」音楽ではないか。実際ヒップホップを聴かない友達に「なんでヒップホップを聴かないの?」と聞いてみても、「嫌いというよりよく分からない」という回答が多かった。

かく言う僕も随分長いこと「ヒップホップよく分からない」側の人間だっ

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Tempalayが売れちまう... のか?

Tempalayが売れちまう... のか?

2021年2月5日、事件が起きた。

TempalayがMステに出たのだ。あのへんてこなバンドが。

「Spotlight」というニューカマーを取り上げる企画でVTR出演したので、Mステにゲストで出たわけではない。がしかし、にわかに信じがたい事態だ。

前衛的、個性的、ぶっ飛んでる、色々彼らを形容する言葉はあるが、聞いてもらったらよく分かるんじゃないかな?

こんな感じの人たちです。

あと尖った

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必然のタッグ、millennium parade ×中村佳穂。/millennium parade・Belle『U』を聴いて思うこと。

必然のタッグ、millennium parade ×中村佳穂。/millennium parade・Belle『U』を聴いて思うこと。

さてさて、音楽の話をしましょうか。映画の話はこの前したことだし。

millennium paradeと細田守がコラボするとどんな曲ができるのか、前々からずっと楽しみにしていた。実を言うと「細田守作品の曲を常田大希が作るらしい」という情報は昨年末から流れていた。昨年末のmillennium paradeのライブで細田守からの献花が飾ってあって、目ざといファンは「これは近々細田守作品との関西コラボあ

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King Gnu -「やり過ぎ」の美学 -

King Gnu -「やり過ぎ」の美学 -

久しぶりにKing Gnuのライブを見た。現地ではなく画面上ではあるが。

昨年の秋から冬にかけて行われたKing Gnuのワンマンライブ、そのツアーファイナルが今回映像化され、配信された。
(まだ見てないよ!という人は是非見てほしい!期限があるはずなのでお早めに!)

結論、やっぱりカッコよかった。

勿論配信なので後で修正等入ってる可能性はあるが、コロナ禍で満足にライブが出来ない中でも、Kin

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kid fresino, ハナレグミ 『that place is burning』とよだかの星

kid fresino, ハナレグミ 『that place is burning』とよだかの星

もう随分前にリリースされた曲だけど、未だに聴き続けている。僕はもともとフレシノのファンで、今年リリースされた楽曲は全て聴いている。その中でもこの曲が一番好きだ。フレシノの楽曲に込められたジリジリとした緊迫感が、僕の心を突き動かすのだ。

今回の曲はハナレグミとタッグを組んでいる。楽曲の前半部分ではハナレグミの歌唱の良さが存分に発揮されている。ゆったりとしたテンポでうたわれるほのぼのとした歌詞、山下

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やっぱりKing Gnuが好き。

やっぱりKing Gnuが好き。

「好きなバンドはKing Gnuです」
こう言い切るのには、少し勇気がいる。いや実際好きだし、カッコいいバンドだと思うんだけど、あまりにメジャーになりすぎて、ちょっとカッコつかない感じがするのだ。そもそもそんな葛藤をしているのが自意識過剰だしカッコ悪いのだけど。

そんなこんなで素直にKing Gnuが好きとは言わず、「好きなミュージシャンは〇〇、××、あとKing Gnuかな」みたいにちょっとス

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