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「読んだ」と言えるだけでカッコつけられる海外文学9選
世の中には、読んだこと自体がステータスになっている本がたまにあるように思う。そういう本の大体は分厚くて、難しそうで、とっつきにくくて、でも頑張って読んでみると意外と面白くてするする読めて、読み終わった後に他人にさりげなく自慢するところまでが「読書」のセットになっている。
私もそういう、読まないと、読んだらかっこいいのに、でも気後れして手が出せない、と思っている本がたくさんある。一方で、長い間なかなか手をつけられないでいたけれど、実際に読み始めたら読めてしまった!今ではお気に入りだ!という本もちらほらある。
懺悔・自慢の羅列みたいになったら恐縮なのだけれど、ここで、私が読みたいと思いながら敬遠していたのに、実際に読んでみたらすごく良かった海外文学の有名本を紹介したい。どれもいわゆる古典と言われるものだ。でも古典にはやっぱり時を超える魅力があり、一旦はまってしまえば面白い。
「罪と罰」
ドストエフスキーの名作。とっつきにくいタイトルだけど、殺人事件とその経緯を追った話で、実際推理小説っぽい側面もあり、夢中になって読めると思う。
「高慢と偏見」
日本語訳のタイトルがとっつきにくいけれど、実際のところ19世紀イギリスの地方の若い人たちのラブロマンスの話であり、結婚するだのしないだの、好きだの好きじゃないだの、ぴーちくぱーちくみんなで喋っているのがすごく面白くてするする読めてしまう。
「ライ麦畑でつかまえて」
青春のやりきれなさが満ちており、若い時期に読んで感化されすぎると道を踏み誤る可能性のある危ない本。1951年の本でニューヨークを舞台としているので情景も思い浮かべやすい。
「一九八四」
独裁政権下の世界を描いたディストピア小説。文章も読みやすく、引き込まれる。夢中になって読める。
「ミドルマーチ」
イギリスの地方都市ミドルマーチを舞台に、緻密な人間描写でそこに住む人々の人生を描く。「偉大なイギリス小説100」第1位(2015年、BBC調べ)に選ばれた。
本当に緻密に丁寧に描かれているので、正直読んでいてちょっと疲れるのだけど、そこを堪えて読んでいくとその人間模様にグッとくることができる。時間がある時にしかおすすめしないけど、読んで良かった。一生私は「ミドルマーチを読破した女」として生きていける…
「響きと怒り」
アメリカ南部の一族の没落を描く本。めちゃくちゃ暗い。南部の文学は独特な土地の湿気というか、怨念というか、そういう情念がこもった本が多い気がする。
文章がかなり特徴的な本で、おそらく読んだ人を二分すると思う。好きじゃない人は第一章の途中でなんだこれ、やめよ、ってなるような気がするけれど、その暗さや文章の表現方法が私はかなり好きだった。
「変身」
名作、かつ短編なのでさっくり読める。チェコ出身のカフカによる20世紀ドイツ語文学。朝起きたら虫になってた!どうしよう!という一見コミカルな設定のように見えて実際は人間世界の冷徹さや不条理さを描いた結構怖い話。
「オデュッセイア」
あまりのボリューム感に長いこと気後れしていたのだけど、英語で新訳が出たのを機に読んでみたら、とてもするすると楽しく読めて驚いた。ヨーロッパ文学の源泉とも言われるオデュッセイア。
話の展開が早く、ぐいぐいと進むので意外と簡単に読める。世界最古の文学は源氏物語と言われるが、それは源氏物語には登場人物の感情描写があり、人間の内面が描かれているからで、オデュッセイアはそれとは対照的に叙事詩なので、ヒーローはいつでも自信満々で全く悩んだりしない。ただ前に進むのみ、敵を倒すのみ。その圧倒的な内面の葛藤の欠如に、へー、昔の話ってこんなんだったんだ、と思わされる。
まとめ
まだまだ取りこぼしている本もある気がするけれど、読んで良かった古典を挙げてみた。「罪と罰」「高慢と偏見」「ミドルマーチ」はKindle Unlimitedだと0円で読める。
この記事を書くために色々と「読むべき古典!」みたいな記事をネットで調べてみて、ああ、まだまだ読んでない本が山のようにあるぞ…!と思った。これからも粛々と読んでいきたい。