詠夢(えむ)

ニューヨークでOLをしていました。今は東京。文章を書くのが好きです。 好きな本や映画の感想やその他諸々、日々考えたことを書いています。

詠夢(えむ)

ニューヨークでOLをしていました。今は東京。文章を書くのが好きです。 好きな本や映画の感想やその他諸々、日々考えたことを書いています。

最近の記事

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初めまして

ニューヨークでOLをしていました。今は東京にいます。 好きな本や映画の感想や、その他もろもろ日々考えたことを書く雑記ブログを細々と続けていましたが、ここ数年は休止気味でした。 最近時間に余裕ができ、書きたいことが色々あることに気づいたので、noteにも投稿してみようと思い立ちました。 以下、よく読まれている&お気に入りの記事です!

    • 秋のニューヨークを感じられる映画・ドラマから個人的なお気に入り6選

      最近すっかり気温も下がり、ハロウィーンの飾り付けも街に増え、秋気分が高まってきた。私にとって秋はアメリカを思い出させる季節で、毎年外のひんやりした風にあたると、大学時代を過ごした東海岸のキャンパスや大人になって住んだニューヨークのことを思い出す。 アメリカの新学期は9月に始まるので、毎年、夏の終わりと共に私は大きなスーツケースに荷物を詰めこみ、成田から飛び立っていた。私は日本の実家をとても窮屈に感じていたので、夏休みの途中くらいからはもう早くアメリカへ脱出したくてたまらなか

      • ファンタジー・SF映画の長編名作を(私的に)一通り見終わった!

        先日、スターウォーズの映画9本を2週間のスパンで一気見したことで、ついにファンタジー・SFの長編大作の有名どころを制覇することができた。 スターウォーズに関しては、20年以上もの間「観ないと、いつか観ないと、観ないまま死ねない、でも長すぎて観始める勇気が出ないよー…」と思いながら、いつもどこにいても何をしていても数ヶ月〜数年おきくらいのスパンで「ああ、いつかスターウォーズ観ないと…」という思いがふっとよぎり、頭の中のタブが開きっぱなし状態で気にかかっていたので、本当にすっき

        • 宇多田ヒカルのライブに行った

          先日、友人に誘われて、宇多田ヒカルのライブに行ってきた。 友人の友人が大ファンで、大激戦だったというチケットを多めに申し込んだところ当たったとのことで、昔から宇多田ヒカルを聴いていた友人と私に声をかけてくれたのだった。 気合を入れて、開演2時間前にさいたまスーパーアリーナに着いた我々は、グッズ売り場をまわり、フォトスポットをのぞき、ロッテリアのバーガーセットを食べ、準備万端の状態で開演を待った。 ざわざわしていた会場は開演時間に合わせてだんだんと静まり返り、「まだかなー

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          [おすすめ] 文系のためのビジネス本2選

          私は小さい頃から文系だった。数学が出来ないわけではないけれど、問題が複雑になればなるほど数字が頭の中で踊り出し、ふらふらと逃げ出して数式の中で何が起こっているのか分からなくなってしまう。 逆に文字でなら、いくら長い本でもわくわくして手に取れたし、物語が複雑さを増せば増すほど世界が広がっていく感覚があった。複雑な現実世界を文章が丸ごと受け止めて、私の頭でも理解できる形に置き換えてくれる。 さて、大学に入ってからも文学を専攻した私は、ビジネスの授業はおろか、経済の授業も一つも

          [おすすめ] 文系のためのビジネス本2選

          実写版「リトル・マーメイド」を観た感想を3つのポイントで紹介する

          ディズニーの実写化の波が続く中で、昨年満を持して予告編が発表された「リトル・マーメイド」。これまでどの実写化映画も観ていなかったのだが、小さい頃アリエルが好きだったことや海が好きなこともあり、これだけは絶対に映画館に観に行きたい!と心待ちにしていた。 というわけで、先日、水色のワンピースを着てルンルン気分で観てきた。ポップコーンの匂いが香ばしい映画館で周りを見回すと、私のように女友達と複数人で連れ立って来ている人が多く、土曜日の映画館は色とりどりの服を着てわくわくした顔をし

          実写版「リトル・マーメイド」を観た感想を3つのポイントで紹介する

          バルバドス旅行記 ー滞在・帰国編ー

          到着翌日の朝(2日目)朝起きたらすでに日は高くのぼっていて、一人で泊まっている広々とした部屋に日光がさんさんと差しこんでいた。 起きてから、はて、今日は何をしよう、と思った。 こんなにのんびり過ごす旅は初めてだった。4泊5日、ホテルの予約をとって飛行機に乗ってただ来ただけで、予定はゼロ。行きたい観光スポットも、食べたいレストランも、事前調査なし。ひたすらリゾートホテルでビーチを眺めながらのんびりしたい、という思いを忠実に再現した旅行プランには、空白の時間が広がっていた。

          バルバドス旅行記 ー滞在・帰国編ー

          バルバドス旅行記 ー出発・到着編ー

          旅に出るまで北米と南米大陸の間、キューバやプエルトリコなどの島国に縁どられた丸いエリアには、カリブ海がすっぽりと収まっている。そこでは見渡す限りターコイズブルーの海が広がり、風がそよぎ、大西洋側のふちに大小さまざまな島がぱらぱらと浮かんでいる。 バルバドスはそのカリブ海の島国のうちの一つ。種子島くらいのサイズで、端から端まで車で1時間くらいしかかからない。Wikipediaによると島の全てがサンゴ礁でできているらしい。水がきれいで浅く、水温の高い海域で形成するサンゴは、死ぬ

          バルバドス旅行記 ー出発・到着編ー

          社会人6年目にして「ビジネス」が理解できて衝撃を受けた話

          「ビジネス」というものが、長いこと、よく分からなかった。 小さい頃から本ばかり読んで、受験戦争に明け暮れて、大学で文学まで専攻して卒業し、全く経済やビジネスに触れる機会がなかったから、という部分を差し引いても、ここまでしても分からないか?と思うくらい、私には、どうしても、どれだけ頑張っても、「会社が何らかのサービスや商品を提供して、その対価として利益を得る」というその概念が、頭に入ってこなかった。 インターンもしていた。バイトもしていた。それでも、目の前の作業をこなすこと

          社会人6年目にして「ビジネス」が理解できて衝撃を受けた話

          何個正解できる?本好きのための海外文学クイズ

          ニューヨークに住んでいた時、私はよくStrand Bookstoreという本屋さんに行っていた。 ここは全米一と言っても多分過言じゃないくらい有名な本屋さんで、1920年代の開店当初から、地元民にも観光で訪れる人にも愛される素敵な場所だ。古本も新刊も、アート本も専門書も幅広く取り扱っている。 そんなStrand Bookstoreは、求人に応募する際に本にまつわるクイズを解かないといけないことでも有名で、2016年にはニューヨークタイムズという新聞とコラボして、そのクイズ

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          旅行の際にぜひ!現地民だった私のニューヨーク歩きのおすすめと裏技

          私は一昨年から昨年まで、一年とちょっとの間、ニューヨークに住んでいた。小さい頃から憧れていた街に住めるのはとても嬉しいことで、私は休みのたびに大都会をふらふらと歩き回り、ネットの情報を足で確かめ目で見て聞いて、できる限りニューヨークを満喫した。 一年というのは街を知るにはかなり短い時間だ。観光客と現地民の間で言ったら、一年しか住んでいない人は限りなく観光客に近い。そんな中私が見つけた、観光客目線ではあるけれど観光より長くいたからこそ分かる、ニューヨーク歩きのおすすめや裏技を

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          「読んだ」と言えるだけでカッコつけられる海外文学9選

          世の中には、読んだこと自体がステータスになっている本がたまにあるように思う。そういう本の大体は分厚くて、難しそうで、とっつきにくくて、でも頑張って読んでみると意外と面白くてするする読めて、読み終わった後に他人にさりげなく自慢するところまでが「読書」のセットになっている。 私もそういう、読まないと、読んだらかっこいいのに、でも気後れして手が出せない、と思っている本がたくさんある。一方で、長い間なかなか手をつけられないでいたけれど、実際に読み始めたら読めてしまった!今ではお気に

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          舌だけで健康状態を言い当てられた話

          ニューヨークで鍼を受けにいったことがある。長年のストレスが祟ったのか、その頃の私は生きているだけでやっとみたいな状態にあり、なんでもいいから自分の心身を楽にしてくれる何かを探していた。 マッサージ、湯船に浸かる、アロマキャンドルをたく、整体外科で筋肉を楽にする注射を打ってもらう。そういういかにも疲れた人向けのアクティビティを一通りやった後に、じゃあこれもやってみるか、と思って、私は評判のいい鍼灸院の予約をとった。 鍼灸院は、ウォール・ストリートの真ん中の、石造りの装飾が豪

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          行儀が悪い女を描く、最高のテレビドラマ「フリーバッグ」

          あまりの衝撃に息もつけないまま、最後まで一気見するドラマがたまにある。私にとってFleabag(フリーバッグ)はそんなドラマの一つだった。 アマゾンプライムで見れる『Fleabag』は、イギリスの女優・劇作家フィービー・ワラー・ブリッジが主演、制作総指揮、監督、脚本を務めたコメディードラマ。BBCでシーズン1が放送されてカルト的な人気を得た後、エミー賞を総なめしたことで爆発的人気を博し、ブリッジを一躍スターの座に押し上げた。続きを求める熱烈なファンの声をきっかけにブリッジが

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          清少納言と紫式部、陽キャと隠キャ、そして人生

          紫式部が日記にめちゃくちゃ清少納言の悪口を書いていたことを、私は、大学生になってから知った。 源氏物語を書いた紫式部と枕草子を書いた清少納言は、藤原氏が栄華を極めた平安京で、藤原一族の娘の教育係として二人とも働いていた。宮中で働いた時期が少しずれていたため直接の面識はなかったらしいが、日記に悪口を書けるくらいの距離感ということは、当然お互いの噂くらいは耳に入っていただろう。 高校の古典の授業でよく居眠りをしていた私が、なぜ大学生になってから、しかも留学先のアメリカの大学で

          清少納言と紫式部、陽キャと隠キャ、そして人生

          都市と香水

          私は香水が好きで、小瓶を色々と集めている。好きと言っても、初めての香水に手を出したのは去年のこと。「自分なんかが香水を…!」とドキドキしながら箱を大事に抱えて家に帰った。それから一年足らずしか経っていないので、私は香水が好きだというのもおこがましいくらい、まだまだ初心者の類いだ。でも小さい2mlのサンプルスプレーを前のめりに集めているうちに30種類ほどの香水が家に集まり、今では物置棚の一角が香水に捧げられている。 よく晴れた休日の朝、「今日はどれにしようかな」とその日の服や