【短編小説】だから私は生きている
たくさん踏まれて、ぐちゃぐちゃになって、それでも生き続けなきゃいけない人生。
いる意味がわからないと邪魔者扱いされ、いつも見下されて、私を消そうとする人もいる、いらないもの、必要とされていないってわかってる。
でも私として生まれた以上、生きるんだ。
生まれたからには何かの役目があると思うから。
それでもつい、周りを羨んでしまう、私もあんな素敵な人になりたい。蝶よ花よと育てられ、生まれてきてくれてありがとうと言われ、いるだけでいいよと言われてみたい。
せめて私は幸せになれなくても、誰かを幸せにしたい。
でもひどいよね。いる意味がないなんて。
私だって好きでこう生まれたわけじゃない。
心が沈んだ時は、太陽の光を浴びていると、少し心が楽になる。
日の光って、照らすだけで人の心を元気にする力があるんだって。
私も光を浴びているといっぱいエネルギーをもらえて、どれだけ踏み潰されても、彼女がいるから立ち上がれるんだ。
すごいな、私もそんな風に何かを照らして元気づけられる存在になれたらな。
生まれ変わったらもっと花やかな人生を送るんだ。
自分の足で行きたいところに行って自由に生きて、色んな人や物と出会って、いてくれてありがとうと言われてみたい。
そんな私でもたまに嬉しいこともあって、
私みたいに強くなりたいって言ってくれる人がいる。
何度踏み潰されても立ち上がれる強さが欲しいって。
見下して踏み潰してくる人ばっかりなのに、
隣に座って、君はすごいな、強いなって言ってくれる人も居る。
そして、その強さを美しいなんて言ってくれる時もある。
そんな時、わたしはただ隣でゆらゆら揺れている。
励ましたり、元気づける言葉をかけることはできないけど、ただただ寄り添っている。
いつも邪魔者扱いされるのに、そう言われた時は生きている意味を感じる。
きっと私はこういう人に寄り添うためにいるんだ。
人に踏まれても、隣の綺麗な花みたいに見向きもされなくても、変わらず生きている。
何も持っていない私だからこそ、誰かを勇気づけられている。
そして感じられる。
私って強いんだ。
立ち上がれる強さって美しいんだ。
私みたいになりたい人がいるんだって。
これがきっと私の生きる意味。
あなたは思ったことがありますか?
雑草のように強くなりたいと。