4文小説 Vol.47
ついこの前やっと来たと思ったら、もう通り過ぎていくのだろうか。
窓を開ければ空気はひんやりとして、街路樹の葉が赤茶に色付いている。
何一つとして仕事が手につかなかった昨日、とてもそんな場合ではないというのに、定時から10分足らずで逃げるように退勤してしまった。
平日どんなに落ち込んでも、自宅に戻る週末は回復する心が、今日は昼間になっても冷えたままだ。
―秋が深まり
ついこの前やっと来たと思ったら、もう通り過ぎていくのだろうか。
窓を開ければ空気はひんやりとして、街路樹の葉が赤茶に色付いている。
何一つとして仕事が手につかなかった昨日、とてもそんな場合ではないというのに、定時から10分足らずで逃げるように退勤してしまった。
平日どんなに落ち込んでも、自宅に戻る週末は回復する心が、今日は昼間になっても冷えたままだ。
―秋が深まり