今日ときめいた言葉89ー「難しいとしか言わない人は、大体において現状を変えたくない人なんですよ」
(2023年10月15日付朝日新聞 日曜に想う「少数派の痛み見ぬふりしない」中田喜直氏の言葉から) (タイトル画像は孫の作品❤️)
あの、「小さい秋みつけた」「夏の思い出」「雪の降る町を」の作曲家 中田喜直氏の言葉である。妥協のない姿勢で闘い続けた人であったそうである。
「あなたひとりが頑張ってもどうしようもないのだ。そんな風に個の意志を冷笑する人たちが、やがて多数派という『権力』になっていくのだと」
「いつの世も己の心を殺すのは、弱い立場にある人々だ。傷つくのを恐れ余計なことを考えまいとする。少数の人の痛みを極めて高い感度で察知し置き去りにしなかった人」だったと記事は書いている。
仕方がない、と諦めざるを得ない立場にいる人々への労りと、そう言わせている人々への怒り。
この人がこのような一面を持った音楽家だったということを知らなかった。きっと音大生だった時の自身の学徒出陣や戦争体験からくる国家への不信がそうさせたに違いない。
「美しいものを率直に美しいと言わせなくするのが戦争。大切な人のささやかな喜びや、こらえている涙に気付く感性を培うのが芸術なのだ」と。
「小さい秋みつけた」や「雪の降る町を」には心に染みる叙情を感じる。
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