日記 03 「たまこ 198円」
1月15日 月曜日
最終出勤日。
よく相談に乗ってくれていた上司から、「最後に色々と回答していただきたい質問があります」とDMが来た。私が辞める理由だったり、会社に対して思うことだったりを尋ねる内容だった。少し迷ったけれど、その方にはお世話になったし、私から見えていた会社の最悪な部分を文章にまとめた。約3800字になった。
定時に退勤し、いつものズッ友四天王にデザイナーの女の子を1人足した5人で飲みへ。今までにも散々言っていたのに、今日もやっぱり愚痴は尽きない。彼女らとの繋がりは、会社をやめてもまだまだ続くと確信している。
酔っ払って5人でピースを合わせて星の形にする写真を撮った。
ズッ友四天王は、ズッ友五芒星となった。
1月16日 火曜日
有休消化1日目。母も有休だというので、買い物に出かけた。
天神橋筋商店街に「安い八百屋」があるから行こうと言われて向かったけれど、結局長すぎる商店街の中のどのあたりにあるのかわからず、母の言う「安い八百屋」は見つけられなかった。が、どの八百屋も近所のスーパーに比べれば遥かに安い。店先で「たまこ 198円」と誤字りながらも安売りしていた八百屋でたまごを買った。
駅前のドンキでは、前から欲しかったけど売り切れていたファンデーションが置いてあった。天満、ええやないか。
ちょっと遠いけど、定期的に買い物に来たい。
1月17日 水曜日
布ナプキンがいい。という話が突如として流行った。デリケートゾーン専用のソープは今や当たり前のようにドラッグストアに並んでいる。なのに、トイレットペーパーはなぜトイレットペーパーのままなのだろうか。
紙質を良くしたい、とかそういうことではない。衛生面の話である。
コロナが流行った時、公共のトイレでは「蓋を閉めて流しましょう」という張り紙がよく見られるようになった。流す水で飛沫が飛ぶのであれば、一番便器に近いところにあるトイレットペーパーはあらゆる飛沫を浴びて、染み込ませている状態じゃないのか。
丁寧にケアしたデリケートゾーンを、そんなトイレットペーパーで拭くのはどうなのだろう。本当に丁寧な女はみんなマイペーパーでも持ち歩くのだろうか。
性病をもらう経路に、トイレットペーパーという可能性はないのだろうか。デリケートゾーンのケア用品が普及する以前に、あのトイレットペーパーを批判する流れがもっと世の中に流行してもいいと思っている。
いつ虫がその上を歩いているかもわからない紙で、ほとんど内臓のような場所を拭くのは、流石にいかがなものなのだろう。
1月18日 木曜日
体が限界すぎて昨日の夜中に整体の予約を入れた。
友達が通っている整体の店には好みの顔のイケメンがいるらしく、最近は個人的に連絡をとりながら週一回体を触られる(施術される)関係性らしい。
私の通う整体の先生は普通に優しいおじさんで、フラグの立つ気配は全く無い。が、整体や美容院などで頭を触られている時にはいつも、私が頭の中で考えていることがバレていたらどうしよう。とヒヤヒヤすることがよくある。さっきまで家で読んでいた小説のいかがわしい一節を、私の頭を通して読み取られたらどうしようかと。まぁ、つまりそれくらい、妄想の域を超えるようなことは今日も起こらないということである。
朝起きたら、昨日最終面接をした会社から採用の連絡が来ていた。フルリモートだし福利厚生に申し分ないけど、自分のやりたい仕事内容とはちょっとだけずれている。むしろ社内にこれからやりたい業務の部署を作ろうとしている、という段階らしく、これから私が色々と提案してその席を作ってもらうことになる。まずは拾ってくれてありがとうの気持ちで、そこに従事するのか、
はたまた、やりたい仕事ではあるがハイレベルな会社でフル出社という体力的にも精神的にも消耗が早そうな会社に行くのか。
迷うならどちらも違うのか。
1月19日 金曜日
昨夜から心臓なのか、肋間神経なのか、肺なのかわからないところが痛い。起きて少し心配しながらも、予定していた通りスパワールドに行った。
有給中にゆっくりと岩盤浴に行き、大きいお風呂に浸かりたいなと思っていた。時間が微妙だったので朝から何も食べずに家を出たら、着く頃には血の気が引いてフラフラ。死ぬ直前ってこんな感じか?とか思うくらい危うかった。
真っ白な顔色で倒れそうになりながら、新世界のステキな喫茶(ステ喫茶)に駆け込み、トーストサンドイッチを頼んだらすごいボリュームが来た。
近くの席にいる、頭髪が真っピンクの女性なのか男性なのかわからない人を見ながらゆっくりゆっくりと食べた。半分しか食べられなかった。(もちろん量的な問題で)
体に血が巡るのをやっと感じられたのでカフェを出て、ようやくスパワールドに入る。途端、暖房がききすぎていてまた気分が悪くなり、心が折れそうになった。頑張って4階の更衣室まで行き、服を脱いだら少し楽になる。
岩盤浴が目的だったので、追加料金を払って専用着に着替えた。静電気がすごくて服が体にまとわりつくのを気にしながら、いざ岩盤浴入室。一人分のスペースに寝転がると、じんわりと汗が出るような温かさに包まれた。壁に大きく掲げられている岩盤浴の効能を読む。「マイナスイオンの効果で自然治癒力を向上。自律神経の働きを高めます。」今の私には喉から手が出るほどほしい効果だ。
結局体力がもたず、1時間ほどで岩盤浴から出て、お風呂に浸かった。トータル2時間弱の癒し時間。癒されるのも、体力を使う。
心臓なのか、肋間神経なのか、肺なのかの謎の痛みは、いつの間にか気にならなくなっていた。効果効能はばつぐんだ。
1月20日 土曜日
生まれ持ってよく気が付く人間だったと思う。周りよりも理解力がある状態で生まれてきたとは思う。でも、そんなレベルではいつか他人に追い抜かれてしまうぞと脅されてきた。だからこそ、生まれ持ったポテンシャルに甘んじて生きる人間のままでいたくはなかった。このままではあかんと思って、やっと、足掻ける人間になってきた。
努力しなくてもできることが多かった分、努力して成長したという成功経験がなかった。努力するのは大嫌いで、自然と今まで避けてきた。今回の転職活動だって、楽できる方と自分が成長できる方を天秤にかけて楽を選びそうになっていた。
最近、大事にしたいものや目標みたいなものが確立してきた。
自己愛に頼りきりで生きてきたけど、今の自分を甘やかすばかりでは良くない。自分が好きだからこそ自分のポテンシャルを信じて、ぬくぬく温室育ちではなく、かわいい子には旅をさせねばならんのだな。
1月21日 日曜日
先日面接した会社(フル出社の方)から課題が出た。指定する広告のコピーを作ってくださいというもの。普通ならみんな2週間くらい期間を設けるらしいが、早く内定を決めたかったのもあって、1週間でできます!と豪語してしまったので6日間で作った。いや実際には岩盤浴に行ったりしていたので2.5日くらいで作った。
作りながら「やっぱり向いてないのでは、、?」といういつもの不安に陥ったけど、デザインと比べても言葉を書くのは好きな分耐えれた。そして自分のポテンシャルを信じられた。
内定をもらえれば今後は、言葉を生業にしていくことになる。もっともっと言葉の勉強が必要になる。
この「好き」という気持ちだけで、どこまでいけるだろうか。
好きは好きのままでいたいから、守るための努力ができるだろうか。