ハナミズキ
冬のあいだやってなかった夜の散歩
久しぶりの夜の散歩
夜に歩く、特別なことでもなんでもないのに
なんだか新鮮
冬のあいだ、工事をしていた団地の一角
ちらほら、あかりが見えはじめて
新しい生活が、ここにも
思っていたより、もう、寒くないなあ
なんて、冬みたいな恰好で、そんなことを思う
冬は、そんな光景、ほとんど見ることはない
夜に公園のベンチで人が座ってるとこ
今日は、ひとり、ぽつんと座ってる男の人がいて
そんなことからも、春になったんだなあ
なんて思えてしまえた
やっぱり、久しぶりに歩いたんだなあ
すぐに疲れてしまった
歩くのに慣れていた体を
手放しちゃったんだなあ
なまけるのに慣れてしまったんだなあ
もう、年なんだよ
怒られてしまうようなことを
ココロの中に流してみたり
ふと、街あかりの下に、ハナミズキ
歌の通りの薄紅色、かわいい色
桜とかチューリップあたりに
話題をもっていかれちゃって
なんだか、かわいそうにねえ
だから、勝手に
今日は、ハナミズキの日、ってことにする