梅とぽんぽこ
夜中、寝つけなくて散歩をした
そのとき、ねこを見た
そのあと
また、ねこだ
と思ったら
タヌキだった
遠目だったけど
タヌキだった
二匹いた
なんか、少し興奮した
誰かにそのことを言いたいと
けれど、そばに誰もいないのと
話したいのに話せない
誰かに言いたいのに何も言えない
あー、もどかしい、もどかしい、ひたすら、もどかしい
梅の香りがふんわり流れていた
それが、うれしいような
訪れる変化への不安のような
春が近づいてくる
この時期、特有のヘンな感じに
体の中が、少し、なってしまった
言いようのないざわざわが
ごわつくような胸騒ぎが
梅の香りとともに、刻まれていく
タヌキは、しっぽが少しばかり大きく見えた
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