【イケ麺になりたい!】そこら辺の男子大学生がパスタ打ってみた②ソース編
【前回のあらすじ】シンプルにイケてない大学生である私は、指を痛めたママンを救うべく、秘伝「デュラムセモリナ粉」を片手に、イケ麺ロードを、道なき道をひた走る。修行のため冷蔵庫に入った秘伝「デュラムセモリナ粉」に代わり、本格イタリアンパスタソースの作成へと取り掛かる・・・(前回の記事はこちら)
「ソース作りに取り掛かろう。さて、ここはやはりトマトベースだろう。ミートソースとかね。」
何しろ、うちの倉庫にはトマト缶がある。準備の大変入念な筆者は、実はあらかじめ倉庫に何があるのかを確認していた。トマト缶があればひとまず大きくは外れまい。ミートソースとか作れるしね。なんでも、どんときやがれ。コクのあるスーパーミートソースをつくってやんよ!
・・・
・・・
ひき肉ないやんけ!!!
私は激怒した。私はミートソースパスタ以外のトマトベースのパスタがわからぬ。私はパスタの味には人一倍鈍感だった。
秘伝「デュラムセモリナ粉」、破れたり。ママンごめんよ、今夜は夕食なしだ・・・
「・・・・・・ぇ・・・」
??なんだ?倉庫の方から声が
「・・・・を使え・・・」
誰だ、誰かいるのか!?
「・・・我を使え・・・」
我?なにやつ・・・?
ドーン!!
お、オイル・・・サーディン??なんだこいつ、とっても・・・アラビアンな響きだ
「我、アラビアンにあらず。大海より来たるイワシの一種なり」
「私たちはここ、家の倉庫に常備されているのよ。」
けっ、なんでえ、イワシごときに何ができるんでい。こちとらパスタでぇ。お遊びなら帰った帰った。
「まあ落ち着きたまえ」
「私たちのことをよく見るのよ」
・・・
なっ・・・!
ぱ、パスタにぴったり・・・!?
こうして、トマトとオイルサーディンの簡単パスタを作ることになった。
三蔵法師と3人の家来よろしく、3つの食材を主軸に、ソース作りが始まる。。。
玉ねぎはよくわからないけど滅多切りに。
途中、仲間に入りたそうだったナッツも
滅多切りに。(え、パスタにナッツ入れるの??)
うまみのベースとなる万能選手、ニンニクくん
滅多切り
なんやこいつ、滅多切りしかしてへんやん。ってか滅多切りってなんやねん。みじん切りとかとちゃうんかい!精神状態まずいんちゃうか。
と、多くの読者の方は思われたかもしれない。実は私、このとき、普通の状態ではありませんでした。その証拠に
冷蔵庫で静かに眠っていた罪のない白菜をも引きずり出し、無残にも滅多切りにしてしまう・・・!
は、白菜ぃぃぃ!!
オイルサーディンA「ま、待て、はやまるな!パスタに白菜とは!」
オイルサーディンB「具材は私たちだけで十分なはずよ!これ以上入れたら・・・」
・・・ソースの9割が白菜に・・・
画像ではまだマシに見えますが、白菜を投入した瞬間、辺り一面が真っ白になって、トマトすら感じられなくなってしまいました。アンビリバボー!
焦った私は何を思ったのか震える手で調理用ワインを投入する。
(※グロ注意)しかしワインは哀しいかな、勢いあまってこぼれていってしまう。ああ見てられない!
その後も、塩、コショウ、シナモン、と悪逆非道の数々を繰り広げる筆者。
狂いに狂った恐怖の饗宴はその後10分にわたり続く。。。そしてソースは完成の時を迎える・・・・
お・・・?
ええ感じやん!狂っていたように見えていたが、すべて計算の上だったのかもしれない!
意外と何とかなるもんだな!完成か!?
しかし、味見をした筆者は
「味に幅がない・・・」
意味わからん独り言を漏らすと
はちみつを
ドーン!
ああああああ、やっぱどうかしてる!!!
そのあと弱火でさらに10分弱煮込んで
完成!!
多すぎた白菜は水分を発生させ、結果的にいい感じの味を出した。
トマト缶と塩が基本的な味の形を作ると、オイルサーディンは味に魚介のうまみを足し、玉ねぎは香味野菜としての仕事をそつなくこなす。異質かに思われた白菜はシャキシャキ感でそれぞれの食材をつなぎ、追加召集のはちみつはその甘さで味にふくよかな幅を持たせる。そして、それらの間あいだにニンニクのうまみ、こしょうの辛さ、ナッツの香ばしさが顔を出し、味の隙間を埋める。まるでよく統制の取れたサッカーチームのようではないか。カテナチオ!!(※筆者はサッカーをよく知りません)
狂ったように自画自賛とも取れる味の説明を始めてしまう筆者。その背後に迫る一つの影があった・・・。
次回、最終回『完全復活!秘伝「デュラムセモリナ粉」』へ続く・・・。
最終章:完全復活!秘伝「デュラムセモリナ粉」はこちら