『術放』

「ねぇ、この国の人々は幸せかしら？」

「あぁ。姉さんが伝える神のお告げを信じて

暮らしているから、とても平和な国だよ」

「そう…。それなら良かった」寂しそうな横顔。

「どうした？疲れたか？まぁ、無理もないよな。

巫女だったのに、その力で戦いを鎮めたせいで

今じゃ女王だもんな」もう、限界なんだろう。

俺も頼りすぎていた。解放するなら、今だ。

幸い、姉さんの姿は誰も見たことがない。

「卑弥呼様。夜のうちに旅立ってください」


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