『優兄』

「あっ、危ない!」必死に走って弟を押した。

頭上から、たくさんの光が降り注ぎ、

目を開けると、僕は角のある馬に乗っていた。

「ねぇ、どこに行くの?」

「天国だよ。どういうとこか分かるか?」

「僕、死んじゃったんだね。僕だけ?」

「あぁ。お前のおかげで弟は助かったよ」

「それなら良かった」「悲しくないのか?」

「うん、僕はお兄ちゃんだから。守れたから。
 
 いつか、天国に来たら、いっぱい遊ぶんだ」

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