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旅の記憶 聖地やアートや

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旅先の体験や景色の記憶を掘り起こして整理中です。一期一会の場所、再訪したい場所、まだ見ていないあの場所など。
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沖縄|久高島を望む斎場御嶽

観光地化が進んで、すっかり聖性が薄くなってしまった…というお嘆きの声をたくさん聞きますが・・・それでもやっぱり特別の聖地だと思います 近年の斎場御嶽の状況 多くの人々を惹きつける聖地斎場御嶽。観光客の増加対策で、国道331号線沿いに物産館付きの大型駐車場が整備されるなどしました。 聖地内への入場前には「聖地の館・セーファ」で鑑賞マナーなどのビデオ視聴して禁止事項や注意するべきことを確認し入場するようになっています。 それにも関わらず、2021年には斎場御嶽にある香炉が

青森県|奥入瀬渓流ホテルにある岡本太郎作品

十和田湖から流れる奥入瀬渓流を訪れた時の思い出です 奥入瀬渓流ホテル 奥入瀬渓流は、青森県十和田市の十和田湖から流れる渓流です。 特別名勝および天然記念物に指定されています。 渓流沿いには遊歩道が整備されており、四季折々の豊かな自然の美しい景色を楽しみながら散策することが魅力です。 奥入瀬渓流ホテルは、この美しい渓流沿いに佇むリゾートホテルです。 ホテル内にある岡本太郎作の大暖炉はこのホテルのイメージにもなっており、現在は星野リゾートが経営しています。 ホテル内にあ

光の教会(安藤忠雄設計)/茨木春日丘教会礼拝堂(現在建物見学停止中です)

光の教会は、プロテスタントの教会である茨木春日丘教会の礼拝堂として、1989年に竣工しました。 現在、通常の建物見学は全面的に停止しています 教会側としては、広く受け入れたいと願いつつも、赤字運営や見学業務の負荷、その上に観光公害トラブル等による近隣クレームもあり、コロナ禍をきっかけに見学全面中止が続いています。 信仰のための日曜礼拝は問合せの上で、少人数を受け入れることもあるようですが、建物見学やマスコミ取材などは一切応じていないとのことです。 ホームページにはそこ

長野県諏訪/諏訪の明神さま(諏訪大社)

諏訪大社の考察まとめ(仮)です 諏訪大社は全国に約2,600社(全国神社祭祀祭礼総合調査)ある、諏訪神社、諏訪社、南方神社の総本社です。 諏訪大社は二社四宮あり、諏訪湖の南側にある上社に本宮と前宮、北側の下社には春宮と秋宮が鎮座しています。 御祭神 上社本宮は建御名方神(タケミナカタノカミ) 上社前宮は八坂刀売神(ヤサカトメノカミ) 下社秋宮と春宮は建御名方神、八坂刀売神、八重事代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)の三柱です。 本地仏 神仏習合の時代は神社と寺が並んでい

太宰府天満宮|今だけの特別な仮殿(藤本壮介設計)、境内から天開稲荷社

天神様といえば菅原道真公。 学問の神様として受験シーズン前にはとりわけ参詣する人が多くなります。 日本全国の神社8万社のうち3番目に多い神社が天神さまです。神社本庁「全国神社祭祀祭礼総合調査」(1990〜1995)では3,953社。8万社に数えられない小さな社まで含めると12,000社程あるとも言われています。 実在の歴史的人物が神となった最初期の例(?) 御祭神は菅原道真公(承和12年〜延喜3年/845年〜903年)。平安時代前半に実在した人物です。 祀られた当初は

国宝《松林図屏風》春の東博から、秋には七尾らしい

お正月恒例の東京国立博物館の《松林図屏風》展示。 令和7年(2025年)の新春展示は1月2日から13日(月・祝)まで。 そして令和7年秋頃に石川県七尾美術館で公開予定とのこと! 開館30周年記念特別展にお目見え計画があるようです。 以前、七尾美術館ではレプリカ展示を見たきりなので、七尾で本物の作品はどのような展示になるのか気になります。 七尾美術館のホームページはこちら みんな大好き、国宝《松林図屏風》は長谷川等伯筆6曲1双、安土桃山時代の名品。 霧というかモヤというか

江之浦測候所#2 春日社、新年の「歳旦祭」と「春日燈籠」と見逃しがちの「隠切支丹地蔵」

春日燈籠 柑橘山春日社 令和7年1月5日開館初日に歳旦祭は執り行われました。 皇室では元旦に宮中三殿で行われる年始を祝う祭祀であり、各神社においても新年の始まりを祝う祭として行われます。 私もその他大勢のひとりとして頭を垂れて参りました。 神職による祝詞、お払い、玉串奉納と続き、祭祀は厳かに執り行われました。 *神事の最中は撮影禁止です 春日社は2022年に勧請されました 現存する最古の春日造りの姿を残すという奈良の忍辱山円成寺の春日堂を採寸し写した社殿とのことです

日本最古の神社、三輪明神 大神神社(おおみわじんじゃ)巳年に福徳をもたらすかも

オオモノヌシとオオクニヌシは呼び名がよく似ている 大神神社の御祭神である大物主大神(オオモノヌシノオオカミ)は、出雲の大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)と国造りを成した神様です。 『古事記』では「大和の御諸山(三輪山)に祀れば、一緒に国造りをしよう」といい、そして祀られることにより葦原中国の国造りは成ったのです。 『日本書紀』にも同じ話がありますが、オオモノヌシはオオクニヌシの「幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)」であると言い、両神は同一であると解釈されていま

霊場恐山

「人は死ねば恐山に行く」と地元で言い伝えられてきた、 日本三大霊場のひとつ(*1) 青森県下北半島にあります。 霊場には数多くの積み石があり風車が回っています。(*2) 恐山は死者の集まる山とされ、イタコの口寄せが有名です。 古くから死者を供養する場所とされたのは、火山活動に由来する硫黄ガスが漂い、草木の生えない荒涼とした奇景が仏教の死後の世界感と重なったようです。 恐山菩提寺 最澄の弟子である円仁(慈覚大師)が貞観四年(862)に開山したとされます。 円仁が見た夢の

エコハウスの先駆け 藤井厚二設計聴竹居(きょうちくきょ)大山崎

聴竹居 藤井厚二(1888〜1938)設計 1928年 重要文化財 事前予約により見学が出来ます。 室内の写真撮影は厳禁となっています。 「其の国の建築を代表するものは住宅建築である」 藤井厚二は、日本で最初に「環境共生住宅」を志向した建築家といわれているそうです。 日本人の生活と日本の気候や風土を研究し環境工学の成果を自宅を建てて実験しました。 聴竹居はその実験の完成形です。 モダニズムと数寄屋の和洋折衷の建築。 エコの先駆けと評されるように通風を徹底して、夏の暑さ対

未来の国宝〈太陽の塔〉内部見学 作者は岡本太郎 EXPO’70→EXPO2025

EXPO’70 太陽の塔 〈太陽の塔〉は大阪府吹田市の万博記念公園にあります。 1970年(昭和45)3月から9月までの183日間に開催された、日本万国博覧会(大阪万博、EXPO’70)のテーマ館として建てられました。 万博のテーマは「人類の進歩と調和」。 〈太陽の塔〉はその象徴として〈お祭り広場〉の大屋根を突き破って建てられました。 高さ約70mの〈太陽の塔〉は4つの顔を持っています。 頂上部の〈黄金の顔〉は未来を表し、中央の直径12mの〈太陽の顔〉と背面の〈黒い太陽

東国三社巡り(後編) 香取神宮と息栖神社

東国三社巡り、鹿島神宮編に続く後半です 江戸時代の関東で伊勢参りに次いで人気だったのが東国三社巡り。 関東以北のひとびとは、伊勢神宮参拝の帰り道の途中で三社を巡る風習を「お伊勢まいりの禊の三社参り」といったそうです。 三社の御祭神 ・鹿島神宮 武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ) ・香取神宮 経津主大神(ふつぬしのおおかみ) ・息栖神社 久那斗神(くなどのかみ)       天乃鳥船神(あめのとりふねのかみ)        アマテラスから出雲国へ派遣され国譲りを成したタケ

東国三社巡り(前編) 鹿島神宮

東国三社巡り、前編は鹿島神宮です 江戸時代の関東で伊勢参りに次いで人気だったのが東国三社巡りです。現在も人気のパワースポットである三社の御祭神は次の通りです。 ・鹿島神宮 武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ) ・香取神宮 経津主大神(ふつぬしのおおかみ) ・息栖神社 久那斗神(くなどのかみ)       天乃鳥船神(あめのとりふねのかみ)        アマテラスから出雲国へ派遣され国譲りを成したタケミカヅチ、フツヌシ、アメノトリフネの三柱の神が三社に祀られています。 関

2泊3日で伊勢神宮参拝(3日め) 内宮と別宮参拝、朝熊山金剛證寺へ

今回は3日め 内宮→おはらい町→猿田彦神社→朝熊山金剛證寺 2泊3日お伊勢参りスケジュール 1日め 名古屋駅→二見浦→伊雑宮→伊勢市駅 2日め 外宮→伊勢市内の別宮&美術館など→瀧原宮 3日め 内宮→おはらい町→猿田彦神社→朝熊山金剛證寺 2日め(前回) 3日めは内宮参拝から 内宮の正宮である皇大神宮(こうたいじんぐう)では、皇室の御祖神であり日本人の総氏神である天照大御神をお祀りしています。 個人的には、何もない(真御柱のみある)敷地にむしろ神々しい何かを感じる