見出し画像

江之浦測候所#2 春日社、新年の「歳旦祭」と「春日燈籠」と見逃しがちの「隠切支丹地蔵」

春日燈籠

蜜柑畑と春日燈籠が並ぶ参道、春日社を望む

柑橘山春日社

神饌が供えられた春日社の様子

令和7年1月5日開館初日に歳旦祭は執り行われました。
皇室では元旦に宮中三殿で行われる年始を祝う祭祀であり、各神社においても新年の始まりを祝う祭として行われます。
私もその他大勢のひとりとして頭を垂れて参りました。

神職による祝詞、お払い、玉串奉納と続き、祭祀は厳かに執り行われました。
*神事の最中は撮影禁止です

春日社は2022年に勧請されました

現存する最古の春日造りの姿を残すという奈良の忍辱山円成寺の春日堂を採寸し写した社殿とのことです。
2022年に正式な儀式に則り奈良の春日大社より御霊を勧請したものです。
神護景雲二年(768)常陸国の鹿島神宮から武甕槌大神が鹿の背に乗って出立したのち大和の御蓋山に至る途中、どうやらこの江之浦辺りをお通りになったのではないか…。
というのも江之浦集落にはかつて鹿島踊りが伝承されていた…という事から春日社の勧進に繋がりました。

「春日社参道」の文字は杉本博司の筆によるもの

58基もの春日燈籠

江之浦測候所では最新の見所です。
入場の際に配られる案内ブックにもまだ記載されていません(2025.1.5現在)。

みかん道が参道として整備され立ち並び春日燈籠

2024年秋に参道にあたるみかん道が整備され、奈良盆地を巡り探したという近代以前の春日燈籠が立ち並びました。
2025年3月には御鎮座三周年として「春日社例祭」開催を計画していると聞きました。奈良春日大社での「おん祭り」お手本にした歌舞音曲とのことで楽しみです。

春日燈籠に刻まれた鹿の姿あれこれ

柑橘山の蜜柑や檸檬

檸檬畑から冬至光遥拝隧道を見上げる

もともと柑橘畑だった場所。
小田原文化財団が出来て少しづつ施設が開発されていく過程で、財団の隣接地は農業法人「植物と人間」が設立されました。そして一切農薬を使用しない栽培法を始めたそうです。不揃いな果実だけれどもとても美味しいのです。

化石窟でセルフ販売しているみかん

Stone Age Cafe

古材に揮毫された「万事汁す」の扁額…杉本さんの洒落です
自家製柑橘エード(HOT)と相模湾を遠望
エードに入っている檸檬も食べられます
メニューにはパウンドケーキなどもあります

見逃しがち

観察していると割と多くの方がスルーしてしまっているポイントが隠れキリシタン地蔵像です。

桃山時代の隠切支丹地蔵
背面にはクロスが刻まれている

◎小田原文化財団  江之浦測候所は事前予約制です。

今回は江之浦測候所における最新ポイントの春日燈籠と、春日社で行われた新年の歳旦祭、そして柑橘に関してストーンエイジカフェについてまとめました。
いつも何故だかホッとする場所なのです。

柑橘山の蜜柑
花入れには結び柳
「日々是口実」杉本さんの洒脱な掛軸

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集