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未来の国宝〈太陽の塔〉内部見学 作者は岡本太郎 EXPO’70→EXPO2025
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(EXPO’70パビリオン展示模型)
EXPO’70 太陽の塔
〈太陽の塔〉は大阪府吹田市の万博記念公園にあります。
1970年(昭和45)3月から9月までの183日間に開催された、日本万国博覧会(大阪万博、EXPO’70)のテーマ館として建てられました。
万博のテーマは「人類の進歩と調和」。
〈太陽の塔〉はその象徴として〈お祭り広場〉の大屋根を突き破って建てられました。
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岡本太郎とのタッグで強いインパクトの〈お祭り広場〉は完成しました
高さ約70mの〈太陽の塔〉は4つの顔を持っています。
頂上部の〈黄金の顔〉は未来を表し、中央の直径12mの〈太陽の顔〉と背面の〈黒い太陽〉は現在を、地下にある〈地底の太陽〉は過去を表しています。
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万博開催当時、見学者は〈地底の太陽〉のある過去の世界から進みました。
根源の世界、いのちのうた、自然、心の森などの展示を見ます。
そこに展示されていた人類の道具類の多くはすぐ近くにある〈国立民族学博物館〉に展示されています。
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そして次に塔の内部空間の入って行きます。
〈太陽の塔〉の内部空間を突き抜けて頂上部付近まで伸びる〈生命の樹〉があります。
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アメーバなどの原生類は樹の根元付近にあり、上部に向かうにつれ軟体動物、魚類、両生類、やがて恐竜から古代生物、哺乳類、類人猿となりクロマニヨン人に至るいのちの歴史を見ながらエスカレーターで塔の内部を登って行きます。(現在は階段です)
これは一見、生命の進化のように見えますが、実はそうではありません。
むしろ全ての生命は一つの幹であり同じであり違いはない、人類の進歩という上から目線のテーマそのものを否定したものだったのです。
そのため、この〈生命の樹〉にはクロマニヨン人まで、現生人類は居ないのです。
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現在の人類に関する展示は、〈太陽の塔〉を出たあとの大屋根の空中展示や地上展示にされていました。
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作者は岡本太郎
〈太陽の塔〉の製作者は岡本太郎(1911–1996)です。
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「なんだ、これは⁈」
「ベラボー」
〈お祭り広場〉の中心の神格として、日本的で西欧的でも、世界のどこのものでも無いものを目指したのです。
当然、太郎のデザインは賛否両論を巻き起こしました。
奇抜な形状や巨大な顔、伝統的な美的感覚を超えたものに、多くの人々は驚き愕然としました。
話題となった〈太陽の塔〉は当時6,421万人の来場者全てが見上げたと言われています。
まさに「なんだ、これは⁈」、「ベラボー」なものなのです。
その後の太陽の塔
大阪万博終了後、万博の象徴となった〈太陽の塔〉は万博記念公園の中心に残りました。
誰もが「これは壊してはいけない」と感じたと言われ「壊すに壊せない」ようでした。
終了後、展示物のほとんどは移設されたり撤去され、第4の顔〈黒い太陽〉は行方不明になっていました。
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現在の太陽の塔
その後耐震工事がなされ〈地底の太陽〉の復元、〈生命の樹〉の整備や生物模型180体の再生設置がされて、2018年から一般公開が始まりました。
これは2025年に開催される大阪万博開催が背景にありますが、何にしても〈太陽の塔〉の内部が見られることは嬉しい限りです。
EXPO’70パビリオン
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1970年の万博開催当時は〈鉄鋼館〉という施設でした。
内部には万博会場の全体模型や〈太陽の塔〉と〈お祭り広場〉の模型や多くの資料があります。
そして一番の目玉は初代の〈黄金の顔〉の実物展示です。
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公式サイトはこちら
〈太陽の塔〉内部見学(有料)
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事前予約制です。(120日前〜前日まで)事前予約の場合は万博記念公園の入場料も含まれています。
当日空きがあれば、太陽の塔直下にあるインフォメーションで購入出来ます。
スマホケースを有料レンタルすると内部で撮影出来るエリアが多くなりますのでおすすめです。(EXPO’70パビリオンでも利用できます)
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公式サイトはこちら
EXPO再び
2025年には大阪・関西万博(EXPO2025)が開催されます。
EXPO2025のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」との関連で〈太陽の塔〉は、生命や進化という普遍的なテーマを象徴する存在として、新たな意義を見出されていると思います。〈太陽の塔〉は再び注目を集め、大変な混雑が予想されるでしょう。
そして
〈太陽の塔〉はEXPO’70のテーマの象徴となりました。過去・現在・未来をつなぐ芸術作品です。
近い将来重要文化財となりやがて国宝となると思います。