「生きていてくれて、ありがとう」
プロフィールにも書いた通り、俺はバツイチ。
とは言え、丁度1年前に知り合った、1つ下の女性とお付き合いを始めた。
そう、彼女は俺を”拾って”くれた。
お付き合いを始めたきっかけは、彼女からのアプローチだった。
(意外かな?(笑))
俺に付き合って欲しいと言った彼女が、1度だけ彼女の過去の恋愛について話したことがあったんだ。
ハッキリとは言わなかったが、過去の恋愛で未だに超えられない想いで生きてきたという内容だった。
それは彼女が前の結婚前の恋愛なのか、離婚後の恋愛なのかは分からない。
結論から言うと、その男性はもう、この世に居ない。
彼女はその男性を超えられずにずっと生きてきたという。
でも、俺と出逢って、
『その恋愛を忘れさせてくれる人』
が現れたと思ったらしい。
「俺はそんな立派な存在じゃないよ…」
そう言って、ここにも書いたような過去の俺が歩んできた道のりを詳しく話したんだ。
俺はやっぱ、何処かで”劣等感”を持っているし、俺を理解してもらえなかったら、お互い五十路を迎えているし、もう、失敗もしたくないから、ちゃんと包み隠さず話した方が良いと思ったからだ。
そりゃ、その時点ではお互い再婚なんて全く考えていなかっただろうけど…
俺の話が終わったあと、彼女が涙を流しながら一言言ったんだ。
「生きていてくれて、ありがとう」
正直、そんな言葉が彼女の口から出てくるとは想像も付かなかった。
『えっ?』
余りにも意表を突いた言葉に俺は言葉を失うと、彼女は更に…
「だって、生きていてくれたからこうやって出逢えたんやん?」
と微笑みながら言葉を続けた。
実はこの時点ではまだ俺は彼女の告白に対して態度保留にしていた。
要は自信が無かったのかもしれない。
でも、彼女の言葉に”ハッと”として、
『もしかしたら、彼女と居たら俺も変われるかもしれない?』
と、何か不思議な感覚に包まれた。
そして、彼女との交際が始まり、約1年が過ぎようとしている。
今週末には新居のリフォームが終了し、週末には俺がまず引っ越しして、翌日に彼女と娘さんが引っ越ししてくる。
正直、この1年はこれまでの人生でもあまり無かったような”激動の1年”と言っても過言ではない様な1年だった。
この俺が、まさかまた誰かと一緒に暮らす日が来るとは…
とは言え、今週末には娘さんの公立高校の入試試験が待っている。
娘さんが俺と一緒に暮らしてもいいと言い、縁もゆかりもない土地の高校受験を決断しなければ、この話は無かったことだ。
いまは見守ることしかできないけど…
桜が咲くころには三人、笑顔で過ごしてられます様に…