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秋曈 鋳蔦
2021年2月6日 19:00
綴ろうと期待して墨の欠片を握ってみたが掌中から溢れ 零れてしまった惑う焦燥が企んで 駆り立てた彎曲した思考が「鸚鵡だ、所詮、鸚鵡だ」と喚いている嘴は餌を啄んで飛ぶと 貪り笑っていた肥やせば飛べず 飢えても飛べない丁度の塩梅は 飼育しないに限るだろう天も波にも藻掻いて沈む黒濁が酩酊を呼び込んでそうして また 廻り続けた
2021年2月8日 20:17
不快感が背を這っていきますあなたの言葉がどうも濡れて滲むので燃やしてまおうと思いましたズルズル 這っていますやるせなさでしょうか 或いは 弱さでしょうか呱呱の声でハッとして あなたが去った逮夜を思い出しましたそれでも心中は鉛の鯨浪が 喰い尽くすように襲うものですから 塞ぎ込む以外にありません暗闇であの子が泣き止まないので 見上げてみれば針の音だけが薄ら笑って こちらを見てい
2021年2月9日 23:40
精髄から中枢に声がかかる「一度帰って解受したらどうだ」そうだなと思ったそれなら帰るべきだ支度をして荷物を持って扉に挨拶をした日は待ってはくれないぞ急いで向かおう切符を買って乗り込んださぁさ向かおう日は待ってはくれないぞ隣の席から尋ねられた「お父さんとお母さんが夜に喧嘩ばかりするの」「寝ぼけたことばかり言ってちゃいけないよ」「あぁ 眠いな」「違うのよ テレビが言ってい
2021年2月11日 00:15
切って繋げて 切って繋げてあぁ これじゃ光が零れてしまう雲間が裂けぬよう 神様は切って繋げて 切って繋げて幾度も繰り返していらっしゃるどうしてまた そんなことをなさるのかさては お月様に心を寄せておられたようであまりにも可愛くってたまらないものだから私たちに見せるのが厭うていらっしゃるお月様は優しいから 照らして見せて下さいます皆が見上げるその事に妬心しているのですねだか