朧月
切って繋げて 切って繋げて
あぁ これじゃ光が零れてしまう
雲間が裂けぬよう 神様は
切って繋げて 切って繋げて
幾度も繰り返していらっしゃる
どうしてまた そんなことをなさるのか
さては お月様に心を寄せておられたようで
あまりにも可愛くってたまらないものだから
私たちに見せるのが厭うていらっしゃる
お月様は優しいから 照らして見せて下さいます
皆が見上げるその事に妬心しているのですね
だからあなたは雲間を縫って
光の当たらぬ切れ端を持って繋げて広々と
お陰でこちらはほんの少しばかりしかその姿は見えません
雲の向こう側に照らされたあなたは
二人でどんなお話をしておられるのでしょう
光で溢れた世界で微笑んで
あなただけに魅せる姿はきっと…