秋曈 鋳蔦
月の引力が君を見せるなら 僕は奪われないようにこうして気を引く
詩集「喚」掲載作品
いのちなんてない かってにえらんできたくせに ぺっとにゃふくをきせるのに おれがしたいことはなにもない はやく ころせばよかったのに なんどもなんどもいきかえらせて のろうよ たのむから おねがいだから ひどくなぶってころしてくれ
かみさま たのむから ころしてくれ
阿吽が二度と手を結ばないと 人は言うけれど 明け方の空で焼けてしまうんだな、その金星の重なりが、冷たい、陽の目が出向いて。きっと素敵な人でしょうねと。 でも今日は折り重なる日。呑まれるその時に人の目を盗もうか
人の心のまにまに 従って 背中に黒い手垢が染みている 設計者のミスだってのに 返品は受け付けてないし 押し殺して投げつけ沈んでリセールするかな
いつになったら、帰らしてくれンのかな もう、やだな 傍には抜け殻しかなくて 残り香は死の海の潮が誘う ざぁさぁと
知らぬ間に鬼が増えていた ぼぅっとして、チラつく火元を見ていると 影からどんどん どんどん 増えていく 狸寝入りしていたつもりが 叫んでいた 知らない人に連れてかれて でも ずっとこの狭い部屋にいる
隠されてるのに いないふりをされてるのに 増やしなさいって 振り回されてる 大きな手が天井から見ていて みんな指先の首輪に繋がれている 駅前の待ち合わせにあるシンボルみたいにはしちゃダメ 目立たないで でも 増やしなさいって また言ってる どうせダンボールに捨てて ご自由にどうぞって言われるのに
獣を背負って歩いている 毛皮が無い汗をかく これは、あんたのだったはずだ 奪ってごめんよと 塩を舐める
全てのせいを受け入れなければならない。さもなくば、死を提供されることは無いと。 もったいない好きのマジョリティは言う。 吐いて捨てられるだけの消費物は燃やされることしか与えられないのに。
抑うつ的な感情と人殺しの夢 手首の数に暴力が含まれている おかしくなんてなりたくない 配っている 感染してしまった。この世の悪さに酔わされた。これは私のせいではないんだ これは私のせいではないんだ これは、私のせいではないんだ
おやふみを呟いてふたり薬の海の中優しく抱かれクラチック笑顔が流れる。ホテルの窓辺からそんさんとしたさ太陽がきらいめいていて、めずらしく、共にサンボでも行こうかしらと、それは彼女がいるからな。 可能がないかよしょがない!!!!! かのじがいなくなってしまった、 どこ(? おやすみ(と言った時からいとをつむぃがらがらたと居なくなってしまったのです。お追いかけていくとマダラに人が沢山いて、体が左回りません。明晰夢を恨んでおられる ならば、その先にあの子がいるんですよ!!と ふんば
証拠品が足りないわけじゃない、と君は裁くけど。不安そうな顔。 殺人未遂で立たされてる僕の現状だけが君の証人。
名声がないのに覚えてもらうのは至難だ。 だから笑われて欲しい。もしくは憎んで欲しい。情緒がないことを、どうかな。死なんだ。
願っている 泥人形で遊んでられるあなたに 二度とその縁から出られないように囲って 頼むから二度と現れないでくれと お雛様を裸にしてその首に教えてやる どうしても知られたくない 俺の肌に触れても汚れるだけなンだって だから口に含んで汚染されて欲しい これは、あぁ、限った話じゃない
どす黒い洞窟には蝙蝠がいて 歯を見せておどおどと笑っている 私の言葉を耳にして、噛み付くように飛んでいく さようなら、一歩手前にあったはずの出口からは光が囁く その煩わしさといったら、、、 だから歩いていく、ゆっくり、地獄へ踏み出していく さようなら、軽蔑します。これまでの日々。
生きごごちをしてはいけない のだ、君の真下にも 待っていたのに むしろ その方が良かった 今は みんな帰りやがった せなかをみるものも顔を知る人もいない 一か八かでかけた足も、気がつけば片足になっている 抜け落ちた歯と、小指から溢れる血が 情けねぇ