マガジンのカバー画像

シリーズ「パラグライダーで墜落 そして入院」

63
パラグライダーの大会でまさかの墜落。硬い地面に叩きつけられながらも数々の奇跡でなんとか生きのびる。手術や治療のことから心の動きまで様々なことを時系列で語っています。
運営しているクリエイター

記事一覧

報告と共に数珠を渡しに ~第61話 パラグライダーで墜落 そして入院~

退院した翌日の話です。 数珠を渡すというか返すためにとあるお寺へ行きました。 ちょっと前からの話になります。 墜落事故にあうちょっと前から、ある和尚のYouTubeを見るようになっていました。和尚が仏教の視点から人生の悩み相談をしているチャンネルです。人生の歩み方、学び、そういったことが沢山つまっていて、とても共感したというか勉強になるのでよく見ていました。 チャンネルを見つけた頃は、自分の人生としても新たなステップというか、色々と変えていきたいと思っていた頃だったので

思い出した。「リハビリ」と書いて「合宿」って読むんだった。 ~第61話 パラグライダーで墜落 そして入院~

手術後、4日目の朝を迎えています。 3日目には尿道カテーテル、血栓を防ぐためのフットポンプも外れました。 (体質の関係でフットポンプは足がめっちゃ痒くなるので外れてまじうれしい!) 3日目から体調としてはいい感じになってきています。 起き上がる時、立ったり座ったりする時にはまだ背中がかなり痛むのですが、一度立ってしまえば歩く分にはほとんど痛みがでないです。 じゃあ、無理のない範囲でなるべく動こう! ってことになりますよね。積極的に歩くようにしました。 歩行訓練が超絶は

手術は無事成功 ~第60話 パラグライダーで墜落 そして入院~

「手術は無事成功しましたよ。」 手術室から、病室へ移動している途中で目が覚めてそう言われました。 一番心配していた術後の痛みは思っていたよりも少なく、なんとか耐えられるくらいレベルの痛みでした。それが本当に良かった、、、。 そうそう、前の投稿でも話した、前回の手術で麻酔科医が研修医で10回以上注射を失敗された問題。だからこそ、あの研修医の指名しようと思っていましたが、、、、。残念ながらもうこの病院にはいないとのことでした(笑) 彼の成長を見届けることは出来ませんでした(爆

今日から入院。 頭と心の乖離。 ~第59話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今日の午後入院。 明日、腰と骨盤の金属を抜く手術をします。 一番不安なのは、怖いのは、術後の痛み。 前回の手術後の痛みは地獄の痛みだった。 ところで病室は4人部屋。そのうちの一人は今日手術を受けたみたい。夕方〜夜は麻酔が効いていたみたいで、「何も感じなーい」なんて明るく看護師に伝えていた。 それからしばらく経って、消灯時間を過ぎた頃、その人の呼吸が荒くなってきた。麻酔が切れたんだろう。痛みに耐える呼吸音が静かに病室に響き渡る。 ナースコールして、痛み止めを入れてもらった

手術前の最後の検診 ~第58話 パラグライダーで墜落 そして入院~

手術前の最後の検診へ行ってきました。 腰の金属は5つ腰椎が固定されているのを2つの固定に減らすことに決まりました。これは予定通り。 「抜くことになるかも」と言われていた骨盤の金属はやはり抜くことになりました。仙骨を固定するために入れられた2本の金属棒。上の棒は完全に緩んでいるそうです。状況から見て、下も緩んでくるのは時間の問題とのこと。平均寿命まであと40年。このまま入れておいても必ず抜くことになる。そもそも骨盤の可動域も狭めてしまっている。 だったら腰の金属抜くついで

最後の手術の日程が決まる ~第57話 パラグライダーで墜落 そして入院~

先日、定期検診へ行ってきました。 結果から申しますと、予定している最後の手術の日程が来年2月の上旬に決まりました。 今回の手術は腰に入っている金属の一部を外すものです。 写真の通り、潰れてしまった腰椎に金属が入っています。さらに腰椎にサポートするように2本のシャフトが入っており、スクリューで固定されています。今は5つの腰椎がガチガチに固定されている状態です。 このシャフトとスクリューの一部を取り除き、固定する腰椎を5つから3つか2つに減らすという手術です。 この手術

自転車を買いました。 ~第56話 パラグライダーで墜落 そして入院~

事故から1年以上経ち、体は随分と戻ってきています。 あれだけの大事故の中、入院中に救いとなることを言われました。医師や療法士から「幸い、また歩いたり走れるようになる。腰のひねりに関してはすこし制限はでてくる。でもそこを除けば、事故前の体から比べると95%くらいまで戻せる可能性がある」と言われました。 本当に幸運です。そして、そうなるとやっぱり目標は「可能な限り戻したい」ってなりますよね。そのためのリハビリは頑張っていくと決めました。戻していく絶対条件は沢山運動すること。これ

ゆっくり、着実にマイナスからゼロへ ~第55話 パラグライダーで墜落 そして入院~

事故から1年と3ヶ月。 退院して丁度1年となりました。 この1年、 ・どう怪我を治して体を戻していくか ・フリーランスフォトグラファーとしての仕事をどう戻していくか この2つをテーマに日々を送ってきました。 「体も仕事も1日でも早く事故前の状態に戻したい。いや、戻すべき。  むしろ、事故のことすら糧にしてやる。」 そう思って、必死にやってきたつもりです。 でも残念ながら、、、、ちょっと疲れてきてしまいました。 思い通りに行かないことだらけ。 ここ最近では生きていくのが

無力感を感じることはむしろ良いことかもしれないと思った話 ~第55話 パラグライダーで墜落 そして入院~

涙が出てくるほどの無力感。 一人でいる時に、ふとしたことで頭をよぎる。 一気に感情が溢れ出てきて、こらえてもこらえても涙が出てきてしまう。 努力してもそれに見合う対価を得られていないと感じる時。思うような結果がでていないとき時。理不尽な何かを背負い必死にもがいている時。そんな時に感じるものなんだなと思っています。 自分の場合は去年の夏の事故以来、ずっと感じています。一体どれだけの涙を流したことか。 この無力感、最初はこの感情に襲われることはすごく悪いことなんだと思ってい

死にかける事故から1年。生き方が変わった話。 ~第54話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの大会中におきた死にかける大事故。 8月6日でちょうど1年となりました。 この1年を振り返るとすごく不思議な感覚になります。 言葉にうまくできないですが、振り返ると今でもなんとも言えない感情がこみあげてくると同時にどうしても涙がでてきてしまいます。 色々なことがありました。 色々なことを沢山考えました。 でもそこから見えてきたによって大きく考え方が変わりってきました。 生き方というか、生きる価値基準とそのスタンスが変わって来たなと思っています。 今回はその事

自分を支えてくれた曲 「You gotta be」の和訳について ~第53話 パラグライダーで墜落 そして入院~

初めて聴いたあの時からずっと自分の中にある曲。 辛い時、苦しい時に聴いてしまう曲。 自分を支えてくれる曲。 そんな一曲が、皆さんにもあるんじゃないかと思います。 自分にとってのその一曲は Des'ree の You Gotta Beです。 入院中から今でもずっと聞いています。 今でも、自分の中で墜落事故のことは終わっていないし、まだまだ消化できていないことも沢山あるんだと思います。戦いはまだまだ続いています。 ステージは段々と変わってきてはいますが、様々な葛藤、苦しみ、

「生きててよかった」がプレッシャーに ~第52話 パラグライダーで墜落 そして入院~

23年の夏、パラグライダーの大会で墜落し、死にかけました。事故から入院、治療、その後の事などずっとシリーズとして綴ってきました。そして、今回は踏み込んだ内容です。批判覚悟で書いてみようと思っています。 パラグライダーの墜落で死にかけてから11ヶ月が経ちました。色んなことを思い、色んなことを考えました。いっぱい傷付いてきたし、いっぱい涙も流してきました。 事故後、沢山の人に言われてきた言葉があります。 「生きててよかった。」 あんな大事故だったんですからね。生きていたこ

死にかける大事故で学んだ保険の話 ~第51話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの大会での墜落事故。 そこで学んだ「保険の話」をしていきます。 踵、骨盤、腰、右肘を骨折して3ヶ月の入院。入院生活の中で実体験として得た学びです。身を持って体験したので余計感じることですが、保険はめちゃめちゃ大切です。 この記事を読んで、皆さんが自分の保険を一度見直す機会になればと思っています。 先に最も良いたいことを言ってしまうと、 ・今はネット保険など、安い保険もあるが重要な保険は少しコストが高くなったとしても、担当者のいる保険に入ったほうがいい。 ・保

入院時の心得「3ヶ月の入院で学んだこと、気付いた大切なこと」 ~第50話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回書く内容は是非皆さんに読んでほしい投稿です。 題して「入院時の心得」です。 パラグライダーの墜落で大怪我をし、3ヶ月入院しました。3ヶ月も入院をすると、いろんなことがあります。そういった出来事から学んだこと、気付いたことの中でも自分が「入院する前から知ってたらよかったな」と思うことをまとめました。 先に言うと、今回の投稿はかなり長いです。Noteの特性上、何回かに分けて書いたほうがいいんだろうなと思っています。でも読んでくれた人にとって役に立つ投稿にすることを優先する