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シリーズ「パラグライダーで墜落 そして入院」

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パラグライダーの大会でまさかの墜落。硬い地面に叩きつけられながらも数々の奇跡でなんとか生きのびる。手術や治療のことから心の動きまで様々なことを時系列で語っています。
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記事一覧

ゆっくり、着実にマイナスからゼロへ ~第55話 パラグライダーで墜落 そして入院~

事故から1年と3ヶ月。 退院して丁度1年となりました。 この1年、 ・どう怪我を治して体を戻していくか ・フリーランスフォトグラファーとしての仕事をどう戻していくか この2つをテーマに日々を送ってきました。 「体も仕事も1日でも早く事故前の状態に戻したい。いや、戻すべき。  むしろ、事故のことすら糧にしてやる。」 そう思って、必死にやってきたつもりです。 でも残念ながら、、、、ちょっと疲れてきてしまいました。 思い通りに行かないことだらけ。 ここ最近では生きていくのが

無力感を感じることはむしろ良いことかもしれないと思った話 ~第55話 パラグライダーで墜落 そして入院~

涙が出てくるほどの無力感。 一人でいる時に、ふとしたことで頭をよぎる。 一気に感情が溢れ出てきて、こらえてもこらえても涙が出てきてしまう。 努力してもそれに見合う対価を得られていないと感じる時。思うような結果がでていないとき時。理不尽な何かを背負い必死にもがいている時。そんな時に感じるものなんだなと思っています。 自分の場合は去年の夏の事故以来、ずっと感じています。一体どれだけの涙を流したことか。 この無力感、最初はこの感情に襲われることはすごく悪いことなんだと思ってい

死にかける事故から1年。生き方が変わった話。 ~第54話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの大会中におきた死にかける大事故。 8月6日でちょうど1年となりました。 この1年を振り返るとすごく不思議な感覚になります。 言葉にうまくできないですが、振り返ると今でもなんとも言えない感情がこみあげてくると同時にどうしても涙がでてきてしまいます。 色々なことがありました。 色々なことを沢山考えました。 でもそこから見えてきたによって大きく考え方が変わりってきました。 生き方というか、生きる価値基準とそのスタンスが変わって来たなと思っています。 今回はその事

自分を支えてくれた曲 「You gotta be」の和訳について ~第53話 パラグライダーで墜落 そして入院~

初めて聴いたあの時からずっと自分の中にある曲。 辛い時、苦しい時に聴いてしまう曲。 自分を支えてくれる曲。 そんな一曲が、皆さんにもあるんじゃないかと思います。 自分にとってのその一曲は Des'ree の You Gotta Beです。 入院中から今でもずっと聞いています。 今でも、自分の中で墜落事故のことは終わっていないし、まだまだ消化できていないことも沢山あるんだと思います。戦いはまだまだ続いています。 ステージは段々と変わってきてはいますが、様々な葛藤、苦しみ、

「生きててよかった」がプレッシャーに ~第52話 パラグライダーで墜落 そして入院~

23年の夏、パラグライダーの大会で墜落し、死にかけました。事故から入院、治療、その後の事などずっとシリーズとして綴ってきました。そして、今回は踏み込んだ内容です。批判覚悟で書いてみようと思っています。 パラグライダーの墜落で死にかけてから11ヶ月が経ちました。色んなことを思い、色んなことを考えました。いっぱい傷付いてきたし、いっぱい涙も流してきました。 事故後、沢山の人に言われてきた言葉があります。 「生きててよかった。」 あんな大事故だったんですからね。生きていたこ

死にかける大事故で学んだ保険の話 ~第51話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの大会での墜落事故。 そこで学んだ「保険の話」をしていきます。 踵、骨盤、腰、右肘を骨折して3ヶ月の入院。入院生活の中で実体験として得た学びです。身を持って体験したので余計感じることですが、保険はめちゃめちゃ大切です。 この記事を読んで、皆さんが自分の保険を一度見直す機会になればと思っています。 先に最も良いたいことを言ってしまうと、 ・今はネット保険など、安い保険もあるが重要な保険は少しコストが高くなったとしても、担当者のいる保険に入ったほうがいい。 ・保

入院時の心得「3ヶ月の入院で学んだこと、気付いた大切なこと」 ~第50話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回書く内容は是非皆さんに読んでほしい投稿です。 題して「入院時の心得」です。 パラグライダーの墜落で大怪我をし、3ヶ月入院しました。3ヶ月も入院をすると、いろんなことがあります。そういった出来事から学んだこと、気付いたことの中でも自分が「入院する前から知ってたらよかったな」と思うことをまとめました。 先に言うと、今回の投稿はかなり長いです。Noteの特性上、何回かに分けて書いたほうがいいんだろうなと思っています。でも読んでくれた人にとって役に立つ投稿にすることを優先する

入院して療法士について思ったこと ~第49話 パラグライダーで墜落 そして入院~

職業別に入院中にスタッフの皆さんを見ていて思ったことシリーズ。 最後となる今回は「療法士」についてです。今回は現役の療法士さんにも是非読んでもらいたい内容を盛り込んでいます。 入院中は1回1時間の施術が3回ありました。土日や祝日関係なく、毎日3時間のリハビリがあったわけです。なので入院中に最も多くの時間を過ごし、お世話になったのが療法士さんです。事故からまだ時間が経っておらず、手術してからしばらくの間、つまりまだ体がピンチ状態の時にいた急性期病棟では理学療法士と作業療法士が

入院して看護師について思ったこと ~第48話 パラグライダーで墜落 そして入院~

入院中にスタッフの皆さんを見ていて思ったことシリーズ。 今回は「看護師」についてです。 看護師さんについて思うこと。一言で言うと、 「こんな大変な仕事を日々、当たり前にやってくれてたんだ、、。すごい。マジで頭が下がる思いです。」 というのが率直な思いです。 大変さで一番わかり易いのが夜勤の話です。 夕方頃に出勤し、翌日の朝日9〜10時くらい、つまり実質15時間前後と、かなり長時間労働になります。さらに。。。 歩数が2万歩くらいになるらしいです。 やばいですよね。。。聞いた

入院して医師について思ったこと ~第47話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回から入院しているからこそ、気付いた事、思ったことのお話をしていきます。医師、看護師、療法士のお話をしていこうと思います。 今回は医師の話をしていきます。 後半、結構ネガティブな話も入ってきます。 まず、自分には手術をして頂いた担当医が二人います。骨盤と踵を担当してくれたA先生と腰を担当してくれたB先生です。二人とも、比較的若い先生でしたが、めちゃめちゃ腕のいい先生なんだと思います。 なぜそう思うかというと、 ・骨盤輪損傷(仙腸関節離開、左恥骨結合離開) ・左踵粉砕骨

みんな!運動して!! ~第46話 パラグライダーで墜落 そして入院~

もしかしたら、勘がいい人はタイトルと写真を見て私の言いたいことを察した人がいるかも知れません(笑) 前回の投稿で、一ヶ月寝たきりになると、人間は恐ろしいほど体力、筋力がなくなるという話をしました。 詳しくはこちらから↓ そんな体験をした私だから言えること。 運動はめっっっっっちゃめちゃ大事!! みんな!もつと積極的に運動して!!! ってことです。 いや別に、「明日からジムに行け!」とかそんな事が言いたいわけではないです。 実は一度動けなくなった自分はもう一つの事に

寝たきり1ヶ月で奪われる体力がマジでやばいって話 ~第45話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回はちょっと汚い話も入ってきます。 パラグライダーの故事で墜落してしまい、踵、骨盤、腰椎のかなり酷い骨折をしました。3回の手術が1ヶ月かけておこなわれました。その間はずっと寝たきり状態だったんです。 医者や療法士に言われました。 「寝たきり1ヶ月で全身の筋力がめちゃくちゃ落ちています。」 「ですよね。」って思いました。 でも私はこの言葉の意味をちゃんと理解していませんでした。。。 驚くほど落ちます。そして、 「まさか、、、そこの筋肉も・・・!?マジか。。。」 って状

パラグライダーの選択について、もう一度深く考えてほしい ~第44話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回の記事は今パラグライダーをやっている人に向けた内容です。パラグライダーをやっている人にしか分からない専門用語も沢山出てきます。その点はご了承ください。 パラグライダーで飛んでいる人、特に今、2ライナーの機体に乗っている人、もしくは乗ろうか検討しているに一度読んでほしい内容です。そしてゆっくり考えてみてほしいと思っているという内容です。 〜グライダーの選択について~ 死にかけた自分だからこそ、言えることがあると思っています。 「あなたのグライダーの選択、力量にあってい

これからのパラグライダーとの関わり方を考える ~第43話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの墜落をきっかけとして、Noteにパラグライダーの事、入院のこと、治療のことを綴ってきて、退院までの日記は終わりました。 気がついたら40話を越えました笑 さて、今後は今回の事故をきっかけに思ったことや気づいたこと、そして学んだ事などを総集編としてテーマ別にまとめたことを綴って行こうと思います。 その第一回目となる今回のテーマは 「事故を振り返りつつ、パラグライダーのことと、これからの自分のパラグライダーとの関わり方」 を話していきたいと思います。 ~また