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Naked/原作 ゴールデン・フェイク

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『note空想映画劇場ゴールデン・フェイク』からのスピンオフマガジン。主に『ゴールデン・フェイク』で紹介した〝映画〟の〝原作〟を公開します。各章、月1~2回ほど更新予定。こちらは…
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固定された記事

第十章 予告

これは、罠だ。分かり易い小細工。 隣にいる自称〝味方〟も疑わしい。 さりとて、その選択しか…

高橋陽
12日前
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【原作】#9 置かれた場所で咲く花は 第九章 STATION TO STATIO…

〇前回までのお話↓  雑だな。と久末は思った。そして、安っぽい。  このギャンブルとうた…

高橋陽
2週間前
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第九章 予告

己の境遇に悩んだことはなかった。 己の資質に悲観したことはなかった。 己の未来に光がさす…

高橋陽
1か月前
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【原作】#8 置かれた場所で咲く花は 第八章 アブソリュート・エゴダンス

〇前回までのお話 ↓  そのアーケード商店街には、時折奇妙な光景を見る事ができる。  老…

高橋陽
1か月前
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第八章 予告

あなたと私は違う。 性別的にも、生物学的にも 主義や主張も、出自もまた 生まれや、育ちも 選…

高橋陽
2か月前
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【原作】#7 置かれた場所で咲く花は 第七章 増殖

前回までのお話 ↓  病院で赤ちゃんが泣いている。  東欧の紛争地域のとある地区。ホール…

高橋陽
3か月前
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第七章 予告

理不尽を基調とするホールディングスの支配。 それは混乱から怒りへ、怒りはそして畏怖に変化を遂げた。 恐怖から逃れるただ一つの道は、無関心。 無視からくる傲慢は、やがて己の首を絞めることにも気付かずに。 日下部もまたその中の一人、のはずだった。 だがしかし、諦念の中に殺意が芽生えている事実もまた真実であった。 そして日下部は、それを静かに育て上げることに決めた。 あなたもその中の一人だと嬉しいのだが……。 次章 置かれた場所で咲く花は 第七章 増殖 振り返って

【原作】#6 置かれた場所で咲く花は 第六章 劇場

前の章 ↓  少々時は遡る……。  シネマファクトリー・Kはスクリーンレンタルを承ってお…

高橋陽
4か月前
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第六章 予告

人の織り成す全てのものは表現で、エンタテイメントである。それが、内に向かうのか、外へ向か…

高橋陽
5か月前
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【原作】#5 置かれた場所で咲く花は 第五章 ダイスを転がせ。イカサマの

前の章 ↓  タイミングが重要だ。  その時が来るまで、堪えて待て。  パティは己に言い聞…

高橋陽
5か月前
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第五章 予告

交渉。それは両者の妥協のすり合わせ、では決してない。 互いが互いを喰うための、利用すべき…

高橋陽
6か月前
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【原作】#4 置かれた場所で咲く花は 第四章 監獄ロック

「で、おじさんなの? おじいちゃんなの?」  K警察署、取調室。目の前の男はその軽薄な口…

高橋陽
6か月前
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第四章 予告

#私の作品紹介 厄災から逃れるべく飛び込んだ〝箱〟はパンドラのそれではなかった。 そこは新…

高橋陽
7か月前
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【原作】#3 置かれた場所で咲く花は 第三章 ヘイ・ユウ・ブルース

前の章 ↓  早く眠りたかった。身体がだるくてしようがない。  夜の時計は十一時。歳を喰った身にはキツイ時間だ。  それでも日下部は歩く。目的地にたどり着くまで。  繁華街を外れた裏通りに屋台を模したキッチンカーが並ぶ。屋台通り。北陸地方の観光都市Kの裏メニュー。地元の食材を使用した料理がメインの小料理屋が多い。観光地価格ではなく、良心的な値段で提供するため、いわゆる〝隠れた名所〟となっている。酒も提供しているせいか、居酒屋チェーンの様に利用している者も多い。店備え付けのサ