【保育・教育】感情論ではなく、科学的根拠に基づけば、質が一気に上がる話
私は科学的な根拠に基づいて保育をすると、度々記事にしてきました。今日は、その私が頼りにしている科学的な根拠の1つ応用行動分析学(ABA)を使った捉え方や対応を、ふわっと記事にしてみようと思います。
今日は、ちょっと長いです。
保育の現場では、様々な子どもの困った行動に出会います。
お友だちを叩いてしまったり、噛んでしまったり、暴言を浴びせてしまったり、絵本を本棚からひたすらひっくり返す子もいれば、暗くて静かな棚の後ろに入って出たくない子もいます。みんなで話を聞いている中で、突然大声を出して、回りのお友だちをびっくりさせてしまう子や、みんなが座っている場面で走り出してしまう子もいますね。それを面白がって真似する子たちもいますね。
それはそれは、いろんな子が、みんな同じクラスの中にいます。
さて、その行動だけ切り取ると、どうしたもんかと頭を抱えてしまいますが、時間はかかるし、大人1人では無理だし、体力はかなり削られますが、それでもやり方はあります。
そのやり方の1つが、応用行動分析学です。
まず、子どもの起こす様々な困った行動は、園で起きているのです。
つまり、園の中にその行動を起こすきっかけとなったタイミングがあるはずです。
まず、その【きっかけ】を探すのです。
ある子は、保育者が『トイレ行ってから、外に遊びに行こう』と声をかけると、机の下や、ピアノの後ろなど危ない場所に隠れていることが、きっかけの1つにあることが分かりました。
【きっかけ】が分かれば、「トイレ行くの嫌だったの?」「なら、いま出ない。って言ってくれればいいんだよ。」と伝えることを繰り返すと、『トイレ行って』の言葉をきっかけに、隠れることはなくなりました。
ある子は、保育者の気を引きたい時に『絵本をひっくり返す』行動をとっていることが分かりました。その子は、それをすれば注目してもらえると誤学習してしまっているので、ひっくり返した時には保育者はスルーをして、注目しない。という姿勢をとりました。
そして、その子のすぐ隣で、別の子が玩具を片付け始めたので、それを大袈裟に褒めて見せると、その子も絵本をしまい始めました。すかさず、「わーありがとう!綺麗で見やすい♬」と声をかけると、その後、絵本をひっくり返してアピールすることは、なくなりました。
同時に「一緒に遊びたいときは、遊ぼって言ってくれると、嬉しいな」と何度も伝え、正しいアピールの仕方も伝えていきました。
何が【きっかけ】で、何を【目的】にその行動をとっているのか。逃げたいのか、注目して欲しいのか。実は緊張をほぐすなど、何かの代わりの行動なのか。1つずつ仮説をたてながら、
"その子に出来る"正しい行動の仕方を伝えていくのです。
ただひたすら、誤学習しているものは、スルーして、正しい行動したときには、反応する。を繰り返すのです。
先生は、人的環境なのです。
その子にはもちろんですが、
先生が、どのようにその子と関わるのか、他の子どもたちも見ているのです。
存在するだけで、影響力が大きいのです。
よくも悪くも、無意識に、子どもたちは、先生と同じようにその子に対して反応し始めます。
つまり、先生が「なんでそんなことするの!」と反応していれば、「先生~また○○くんが~」と言うようになるし、
先生が「それはビックリしたから、こうして欲しいな」と毎回冷静に伝えていれば、ある程度その子を理解して受け入れることが出来るし、困った時には「それビックリするから、やめて」と自分たちで言えるようになったりもします。
さて、【きっかけ】が園にあったとしても、困った行動の【起きやすい背景】は、園にはないこともあります。
お腹が空いていると、ちょっとしたきっかけで困った行動を誘発しやすい。
朝、登園前に兄弟ゲンカなどのトラブルかあると、困った行動の頻度が上がりがち。
などなど。家庭と連携していくと、行動を起こしやすくなる状況が見えてくることもあります。
そんな時は、今日は出やすそうだと意識するだけで、大人のやれることが増えますよ。
理論は、たくさんの本が出てますので、詳しく伝えることを省きました。
これは、【応用行動分析学】を意識してとった対応なんだなぁ~くらいに捉えてくださると嬉しいです。保育ではあまりないですが、学校教育関係の書籍では、何冊か出ていたりします。
とても地道ですが、1つずつ困った行動を1つずつ紐解き、仮説を立て、実践をする。を繰り返していると、子どもはとても成長します。
1人ではやりきれません。チーム保育をしていきましょう♬
保育の色々を書いています♬
良かったらみてくださいね♬