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3/30。僕は、チャーリー・ブラウンになれない。

5:30起床。

天気は曇り。





……。
……。
……。


「起きてよ、ヒーロー」


ごめんね。
人違いだよ。


だって僕は、ヒーローじゃないからね。


……。
……。
……。


「起きてよ、ヒーロー」


もしも、
ヒーローを、主人公というのなら。
自分の人生の主人公というのなら。


しょうがないな。
起きるしかないな。





チャーリー・ブラウンになって、色んな人に嫌われる夢を見た。


今思えば、何で自分がチャーリー・ブラウンになったって、わかったんだろう? まあ、夢っていうのは、そういうもんだろう。夢の中では、何もかもが自明だ。


それにしても、変な夢だ。だって、チャーリー・ブラウンが嫌われることなんて、ありえないんだ。彼は、どれだけ情けなくても、格好悪くても、「愛すべき敗者」なんだから。(公式HPに、そう書いてある。)彼に比べれば、僕は「ただの敗者」だ。「愛すべき」が付くには、ほど遠い人間だ。


僕にできるのは、ピーナッツバター&ジェリーのサンドイッチ(ジェリーは、ジャムのこと。チャーリー・ブラウンがよく食べているものの一つ。)をむしゃむしゃやることくらいだ。といっても、当のサンドイッチを食べたことはないけど。


そもそも、チャーリー・ブラウンは「PEANUTS」のヒーローだ。ヒーローっていうのは、それだけで好かれるところがある。けれど、チャーリー・ブラウンは、それに甘んじることなく、日々ひどい目にあったり、ひどい目にあったり、あと……ひどい目にあったりする。


けれど、彼は「愛すべき敗者」。どんな目にあっても、めげることなんて、絶対にない。(まあ、チャーリー・ブラウン本人は、自分のことをヒーローだなんて、考えたこともないだろうけど。)


チャーリー・ブラウンは、日本でいうところの「のび太」なんだろうか。……どちらにせよ、僕は彼らにはなれないな。どんな目にあっても立ち向かう彼らと違って、僕はすぐに心折れてしまうから。……まあ、ヒーローには、なれなくてもいいんだけどさ。ただ、夢の中とはいえ、僕はヒーローになってしまったから、なんだかチャーリー・ブラウンに申し訳なくてね。


僕は、チャーリー・ブラウンになれない。「愛すべき敗者」にはなれない。ただの敗者。負け犬。ヒーローには、なれないよ。けれど、生きている限り、負け犬なりに、吠えながら生きていくしかないんだ。それが、僕なんだから。


ごめんね、チャーリー・ブラウン。夢の中とはいえ、君になってしまって。でも、ちょっと楽しかったよ。ありがとうね。……でも、二回目は遠慮しとくからね。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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相地
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