3/23。ある朝の抒情詩。
5:30起床。
天気は晴れ。
*
……。
……。
……。
「もうすぐだよ」
もうすぐ、
もうすぐ、
何か、やって来るの?
それとも、
何も、やって来ない?
……。
……。
……。
「もうすぐだよ」
目を、閉じる。
何者が来ても、
何物が来ても、
心づもりは、
できているように。
目を、開いた。
*
雨上がりの街は、なんだか、しんとしている。けれど、それも今の内だけだろう。その内、動き出す。
外は、ほの暗い。内も、ほの暗い。……内っていうのは、うちの中であり、僕の中であり……。僕の中がほの暗いのは、今に始まったことじゃないね。ほの暗いどころか、どす黒かったりする……。まあ、そんな話はいいや。
すずめが鳴き出すのは、いつからだろう。すずめは、朝の訪れの象徴だ。……ということは、まだ鳴き出していないこの時間は、まだ昨日の夜なんだろうか。……はは。いやいや、わかっているよ。0時を回れば、次の日になることくらい。でもさ、昔の人はどうだったんだろう? 時間の概念が無かった昔の人は、何を以て朝だと認識していたんだろう?
パートナーは、まだ眠っている。相変わらず、アクロバティックな寝相だな。(どんな寝相なのかは、ご想像にお任せします。)パートナーは、すぐそこにいるのに、孤独を想うこの気持ちは、何なんだろう。誰かがすぐそばにいても、その人が眠っていれば、孤独になってしまうこの気持ちは……。けれど、悪いもんじゃない。孤独っていうのは、存外悪いもんじゃない。……時々ならね。
僕がこうしてPCをぱちぱち打っている間にも、外はどんどん明るくなる。世界はちゃんと動いている。……「ちゃんと」って、いっていいのか、わからないけど。世間は、なんちゃらウイルスのおかげで、ごたごたしているからね。もちろん、他人事じゃないけどさ。せめて、今だけは放っておいてくれないかな。
僕は、朝が好き。静寂が好き。(「せいじゃく」じゃなくて、「しじま」って読んでね。)だから、今この時間を、とても愛おしく思う。今この時間に、日記を書いている。今この時間にしか、書けないものがあると思うから。
……ああ。すずめが鳴き出した。この心地いい静寂とも、そろそろお別れかな。短い付き合いだったね。でも、また会えるよ。明日の朝には。
静寂を愛する僕が、喧騒と別れるまで。どうか、そのときまで。僕を待っていてくれ。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。
連載中。