3/10。『上手』に生きられないから、『下手』に生きることにした。
5:30起床。
天気は雨。
*
……。
……。
……。
「もし、もし」
誰?
誰を、呼んでいるの?
僕を、呼んでいるの?
……。
……。
……。
「もし、もし」
ここからじゃ、何もわからないな。
望まれているのは、僕じゃないかもしれないけど。
もし、もし、
僕は、ここですよ。
*
今朝の白湯は、鉄の味がする。さっき、鼻血出たからかな。(年に何度か、鼻血がよく出る時期がある。)……僕が貧血なのは、鼻血のせいなのかな。なんて。……違うよな?
「上手に生きる」って、ことばがある。生きるのに、上手とか下手とかあるのかな。もし、あるとしたら、僕は上手に生きていないし、生きられないと思う。でも、「上手に生きる」ってことばがあるなら、「下手に生きる」ってことばもあるよね。たぶん。下手なりに生きていけるなら、それはそれでいいと思う。……やっぱり、生きるのに、上手も下手もないな。
でも、僕は思う。周りの人達は、僕よりずっと、「上手に生きている」ように見える。何を以て「上手に生きている」のかは、さておき。隣の芝生は青く見える、ってやつかな。……まあ、僕の芝生が青く見える人がいるとは思えないけど。じゃあ、僕の芝生って、何色なんだろう……。誰にも羨ましがられない色……。ううん。ことわざにけちをつけても、しょうがないな。
あと何年かすれば、僕は30歳になる。30歳まで生きていられたら――いや、今の年齢まで生きていられたんだから、充分じゃないかと思う。上手に生きられなくても、下手なりに生きていても、僕は生きているんだ。その事実だけで、充分だと思う。それを思えば、上手とか下手とか、どうでもよくなってくる……。
おっと、いけない。また、眠気にひきずられるところだった。近ごろの僕は、「眠い、眠い」ばかりいっている。ちゃんと眠っているはずなんだけどな。これも、上手に生きていない証拠なのかな……。なんて。……うん。あんまり難しいことを考えるのは、止めにしよう。
僕が考えなきゃいけないのは、一日一日をどうやって生きのびるかだ。「生きのびる」なんて、大げさだな。そんな風に思われるかもしれないけど。「上手に生きられない」僕は、一寸先は闇だから。「生きのびる」ってことは、何よりも優先するべきことだから。生きのびなきゃ、白湯も啜れないし、パートナーを愛でることもできないもんね……。
まっとうに生きるって、大変だ。でも、大変だからこそ、おもしろい。……なんて、いえたらいいんだけど。まあ、まっとうじゃなくていいから、ぼちぼちでいいから、今日を生きていこう。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。
連載中。