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MBTIの真髄:自己理解と人生の選択を導く鍵

就活や婚活など、様々なところで取り上げられるようになったMBTIですが、正確な形で世間に広がっていないのは、非常に勿体無いないと感じます。

MBTIは性格診断ではなく、その本質は、心の機能を解き、個々人のアイデンティティー形成の過程を明らかにするものです。そのため、抽象度が高く、具体的な表現はされていません。

けれど、構成としてはそれほど難しいわけでもなく、正しく理解することで、人生の助けになるツールです。というのも、自分の特性を知ることで、自分に合った生き方を選択することができるからです。

この記事では、MBTIの元となっているユングのタイプ論も踏まえ、本質的なMBTIをご紹介します。


MBTIは性格診断ではない

MBTIは、性格診断として世間に広がっています。カテゴリー化されることで安心しますし、エンタメ的なおもしろさがあります。

けれど、その本質は性格診断ではありません。

心の機能を解き、個々人のアイデンティティー形成の過程を明らかにするものです。そのため、MBTIを知ることで、自分の扱い方が分かりやすくなります。

人生は選択の連続です。その選択をしているのは、自分です。自分の扱い方を知っていることは、より自分に適した選択ができることでもあります。

本質的な理解のために、MBTIの元になっているユングのタイプ論から解説していきます。

ユングのタイプ論

MBTIの元になっているのは、ユングのタイプ論です。タイプ論では、2つの態度と4つの機能を用いて、心を解明しようとしています。

タイプ論の解説がこの章の目的ではないので、ここではMBTIの構成を理解するために必要なことだけに絞ります。記事の後半に、それぞれの態度や機能について、かみ砕いた解説をします

2つの態度

まず、態度については以下のように定義されています。

外向:あるひとの関心や興味が外界の事物やひとに向けられ、それらとの関係や依存によって特徴づけられている
内向:そのひとの関心が内界の主観的要因に重きをおいている

ユング心理学入門 河合隼雄著 岩波現在文庫

つまり、外向の場合、自分以外の他者や具体物、社会にエネルギーが向いており、内向の場合、自分の内側にエネルギーが向いているといえます。

4つの心的諸機能

機能について、ユングは下記のように定義しています。

感覚:何かがあることを教える
思考:ものごとが何であるかを教える
感情:どのような価値があるかを教える
直観:一種の予知であり、ある種の不思議な能力。知覚や思考や価値判断のできないものを補っている。

分析心理学 C.G.ユング 小川捷之訳 みすず書房

それぞれの機能の反応を、具体的な例を用いてみてみましょう。

例:麦わら帽子を見た場合

感覚:素材やサイズを的確に把握する
思考:その効果や耐久性を考える
感情:好ましいとか、感じが良いと判断する
直観:黄色に染めて植木カバーにできるかも、と新しい可能性を見出す

それぞれ別の働き方をしていますよね。

優越機能と劣等機能

”ある機能の本質は、他の機能の本質を排除する”

ユング心理学入門 河合隼雄著 岩波現在文庫

との見解から、4つの機能を以下のような対立関係におき、ある人が最も得意とする機能を優越機能(主機能)、その対立にある機能を劣等機能と名付けました。

4つの心的機能

そして、優勢でも劣勢でもない機能は、補助機能とされました。

例えば、優勢機能(主機能)が感情の人は、劣等機能は思考であり、感覚と直観が補助機能になります。同様に、感覚が優勢機能(主機能)の人は、直観が劣等機能、思考と感情が補助機能です。

8つのタイプ

これまで見てきた4つの機能と2つの態度から、8つの優越機能が形成されます。

8つの優越機能

なお、劣等機能の態度は、優越機能の逆になります。

  • 優越の態度が内向なら、劣等の態度は外向

  • 優越の態度が外向なら、劣等の態度は内向

これらのユングのタイプ論における内容を踏まえた上で、続いて自己理解と人生の選択に役立つMBTIの構成について、以下を含めて解説します

  • 全16タイプの心的機能・態度リスト

  • 2つの態度と4つの機能の詳細解説

  • 20年サイクルの発達段階の説明

MBTIの構成

MBTIにおいては、優勢機能だけでなく、得意な方の補助機能についても加味します。

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